学術大会1日目の様子

いよいよ夏の到来を迎え、途中雨も降りましたが、パシフィコ横浜に非常に多くの皆様にお集まりいただきました。そして7月29日(土)~30(日)の2日間に渡り、深くしっかりと学ぶことが出来ました。
前回よりもさらに多い、1639名の皆様にご参加いただき、第10回日本在宅薬学会学術大会は盛会裡に終了しました。

プログラム内容

開会式

7月29日(土)9:00~9:10

会場
第1会場:パシフィコ横浜会議センター 1F メインホール
演者
大会会長井手口 直子(帝京平成大学薬学部 教授)

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大会会長講演

7月29日(土)9:10~9:50

会場
第1会場:パシフィコ横浜会議センター 1F メインホール
演題
『「あるべき論」から「実践」へ』
演者
座長
狹間 紀代(一般社団法人日本在宅薬学会 理事)
演者
大会会長井手口 直子(帝京平成大学薬学部 教授)

大会会長 井手口 直子(帝京平成大学薬学部 教授)
『「あるべき論」から「実践」へ』

「地域包括ケアの概念、「重度な要介護状態になって住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される」ためには、地域全体を医療機関、介護機関とみなしていくことであるが、日本再興戦略として平成25年6月14日の閣議決定、「薬局を地域に密着した健康情報の拠点として、・・・〈中略〉薬局・薬剤師の活用を促進する」は極めて重要な決定である。これを基として「健康サポート薬局」制度が生まれ、かかりつけ薬剤師の重要性が改めて認識された。
現在、志ある多くの薬局が、「処方箋を持たずとも気軽に入って健康相談ができる薬局」を目指して奮闘している。一般用医薬品のアドバイスはもちろん未病予防のためのサプリメント、スーパーフード等健康食品や、店頭でのHbA1c(糖尿病の指標)等の簡易検査も行い、疑わしい結果はすぐに地域の医療機関へ紹介状を書いて受診勧奨を行う。外来処方箋の調剤を行っていた患者が入院すれば、退院時の共同指導にも参加してスムーズに患者が自宅で服薬できるように配慮する。そして在宅療養の患者のために医療介護職とチームを組んで、患者宅を訪問し、薬剤の適正使用と必要に応じて介護用品や衛生用品、栄養剤を提供する。さらに禁煙支援や認知症の早期発見、薬物乱用防止対策への取り組みなども行う。
地域包括ケアの拠点の一つとして、「価値ある場所」となる薬局について講演していただきました。

基調講演

7月29日(土))9:50~11:00

会場
第1会場:パシフィコ横浜会議センター 1F メインホール
演題
「これからの医療政策における薬局、薬剤師」
演者
座長
狹間 研至(一般社団法人日本在宅薬学会 理事長)
演者
中山 智紀(厚生労働省 保険局 医療課 薬剤管理官)

中山智紀(厚生労働省保険局医療課 薬剤管理官)
「これからの医療政策における薬局、薬剤師」

平成28年度の調剤報酬改定は、かかりつけ薬剤師指導料が導入されるなど、「対物から対人へ」、「服薬情報の一元的・継続的な把握」といったキーワードを目指すものでした。こうした改定の効果の検証は大事であり、薬剤師は、安全な薬物療法に寄与するとともに、医療費の適正化に資するため、重複投薬の防止、残薬の解消などで実績をあげていかねばならない状況にあります。また、厚生労働省が進める地域包括ケアシステムの構築の中で、薬剤師は在宅医療など、地域における貢献をいかに示すことができるか、正念場にあると言って良いのではないでしょうか。平成30年度の改定に向けては、こうした取組の益々の推進が求められるものと考えられます。これに加えて、本年5月23日の経済財政諮問会議において、塩崎厚生労働大臣は、リフィル処方による患者本位の医薬分業を実現することにも加えて、いわゆる門内薬局ついて院内での調剤と機能が変わらないのであれば、それを考慮した評価をさらに進めることなどを示しました。
以上の内容については、本年の骨太の方針(平成29年6月9日閣議決定)にも盛り込まれています。これからの医療政策における薬局、薬剤師について、保険の観点から現時点で考えられることついて講演していただきました。

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シンポジウム

シンポジウム1

7月29日(土)13:00~15:00

会場
第1会場:パシフィコ横浜会議センター 1F メインホール
演題
「地域包括ケア時代の在宅医療 -医療政策と多職種連携の中での薬剤師-」
演者
オーガナイザー
井手口直子(帝京平成大学薬学部 教授)
座長
近藤 太郎(近藤医院 院長)
狹間 研至(一般社団法人日本在宅薬学会 理事長)
演者
鈴木 康裕(厚生労働省 医務技監)
今村  聡(公益財団法人 日本医師会 副会長)
山本 信夫(公益社団法人 日本薬剤師会 会長)
今井 博久(東京大学大学院医学系研究科地域医薬システム学講座 教授)

鈴木 康裕(厚生労働省 医務技監)
「医療政策と多職種連携の中での薬剤師」
今村 聡(公益財団法人 日本医師会 副会長)
「在宅医療・介護のあり方と多職種連携における薬剤師への期待」

日本は世界に類を見ない超高齢社会を向かえており、特に団塊の世代が2025年頃までに後期高齢者となることで、介護・医療費など社会保障費の急増が懸念されている。そのような中、国からも高齢者医療と介護を一体的に捉えて連携を推進することが示されており、地域包括ケアシステムにおいて、医療・介護に関わる多職種等による連携は必須である。
地域に暮らす人々を支えるためには、在宅医療のみならず、中小病院や有床診療所への入院や介護施設への入所も含めた、施設も在宅も活用することが求められる。薬局および医療機関の薬剤師に対しては、訪問薬剤管理指導・居宅療養管理指導などを通じてかかりつけ薬剤師機能を発揮し、地域における多職種連携について、講演していただきました。
山本 信夫(公益社団法人 日本薬剤師会 会長)
「地域包括ケアシステムにおける薬局・薬剤師と多職種連携」

国際的にも大きな課題とされている、少子・高齢化社会に関しては、我が国は世界に類のないスピードで国民の少子化・高齢化が進んでいる。世界的に見ても十分に完備された社会保障制度、とりわけ皆保険による医療保障制度は戦後のわが国の復興を支え、衛生環境、生活環境の改善と相まって、完備された医療提供体制によって、我が国の国民が健康に憂いなく働ける環境が確保されてきた。その結果、我が国の国民の平均寿命は急速に延伸することとなったが、経済成長に支えられてきた保険料方式による医療保障制度は、社会環境の変化等に起因する少子化傾向が進行することにより、社会保障全体を支える勤労世代の減少が、制度の安定した維持・運営に将来的な課題と指摘されることとなった。政府は、戦後のベビーブーム世代の全員が後期高齢者となる2025年、さらにはその10年後の2035年を我が国の超高齢社会のピークと捉えて、その時点における地域医療提供体制のモデルを関連する審議会等で模索してきた。医療分野では医師・歯科医師・薬剤師・看護師をはじめとする医療関連職種が連携し、チームによる医療提供体制が求められる一方で、ケアマネージャー等介護分野との密接な連携に加えて、患者・地域住民を中心とする日常生活行動を、地域行政をもその連携の輪に組み込んだ、まさに「地域医対型」体制の構築について、講演していただきました。
今井 博久(東京大学大学院医学系研究科地域医薬システム学講座 教授)
「在宅医療における薬剤師の発揮すべき新しい機能
-全国調査の結果からの示唆-」

超高齢社会が到来し、いわゆる社会保障費が逼迫する「2025年問題」を目前にしている。しかし、より本質的な観点から「2025年問題」を考えると、それは経済的な問題のみならず、予防、医療、介護における人的なサービス提供の問題である。今後は、ますます高齢患者が増加し、そこでは慢性疾患がほとんどであり完全治癒ではなく症候の緩和であり生活の質の向上である。治療方法は薬物治療が中心になり、広義の観点から言えば、薬物治療の専門家は薬剤師であり、薬物治療を安全に効率よく実施し、費用を適切化する機能が求められる。厚生労働省は、上述した背景をもとに薬剤師の機能強化の方針を打ち出し、とりわけ地域包括ケアシステムの中において、薬剤師により専門的な役割を要請している。すなわち、超高齢社会における薬剤師の新しい機能が問われ、旧来からの専門性がない役割はほとんど廃れ、薬剤師は新しく到来する時代が求める役割を果たして行く必要がある。
地域包括ケアシステムにおける薬剤師の必要不可欠な機能は「多職種連携」である。医師、看護師など多職種間との連携である。とりわけ、薬局薬剤師と病院薬剤師との連携は、実効性ある地域包括ケアシステムの構築において核になる機能である。薬剤師は薬物治療の専門家として他の職種と対等な関係を保ち、かつ専門的な機能を果たさなければならない。今春、地域包括ケアシステムにおける薬剤師の在宅訪問業務に焦点を当てた全国調査を実施した。その調査結果を踏まえながら在宅医療で薬剤師が発揮しなければならない新しい機能について、講演していただきました。

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シンポジウム2

7月29日(土))13:00~15:00

会場
第2会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 303
演題
「在宅で役に立つ緩和医療領域薬剤師養成講座(基礎編)」
演者
オーガナイザー兼座長
金子  健(慶應義塾大学病院 薬剤部/緩和ケアセンター)
演者
金子  健(慶應義塾大学病院 薬剤部/緩和ケアセンター)
伊東 俊雅(東京女子医科大学東医療センター病院 薬剤部 薬剤部長)
共催
日本緩和医療薬学会

金子 健(慶應義塾大学病院 薬剤部/緩和ケアセンター)
伊東 俊雅(東京女子医科大学東医療センター病院 薬剤部 薬剤部長)
「在宅で役に立つ緩和医療領域薬剤師養成講座(基礎編)」

1981年以降、日本人の死因のトップはがんである。その後も、がんの罹患数、死亡数ともに年々増加している。このようにがん患者が増加している中、「がん対策基本方針」の見直しにより、がんと診断された時から適切な緩和ケアを行うことが明確化された。(第2期がん対策推進基本計画における重点課題(平成24年6月閣議決定))。これには、がん患者とその家族が可能な限り質の高い生活を送れるよう、緩和ケアが、がんと診断された時から提供されるとともに、診断、治療、在宅医療など様々な場面で切れ目なく実施される必要がある。また、がん患者が住み慣れた家庭や地域での療養や生活を選択できるよう、在宅緩和ケアを含めた在宅医療・介護を提供していくための体制の充実を図る(一部抜粋)と明記されている。
薬局薬剤師は、在宅医、訪問看護師などの他の在宅緩和チームと円滑に連携し、患者やその家族が安心・安全に薬物療法が受けられるような処方提案などが求められている。また、処方提案を行う際には、患者の病態だけでなく患者の生活環境や患者、その家族の意向なども踏まえなければならない。つまり、薬の専門家としてだけでなく患者に寄り添う姿勢が非常に大切である。ということについて講演していただきました。

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シンポジウム3

7月29日(土)13:00~15:00

会場
第3会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 304
演題
『「多職種連携のキモ」退院時共同ミーティング。現状の問題点と今後の展望』
演者
オーガナイザー
奈良  健(株式会社サン薬局 在宅薬物治療支援部長)
座長
小黒佳代子(株式会社ファーマ・プラス 専務取締役)
神谷 政幸(有限会社ドラッグストアー・カミヤ 代表取締役)
演者
日下部明彦(横浜市立大学医学部 総合診療医学 准教授)
平野 和恵(がん研究会有明病院 緩和ケアセンター 医療連携部)
安  泰成(国家公務員共済組合連合会 横須賀共済病院 薬剤科)
中島夕美子(みなみ横浜ケアプランセンター)
前田 桂吾(株式会社フロンティアファーマシー 社長室長)
劇団 完熟みかん

日下部 明彦(横浜市立大学医学部 総合診療医学 准教授)
『「多職種連携のキモ」退院時共同ミーティング。現状の問題点と今後の展望』

多職種連携の重要性が叫ばれて久しく、多職種参加型の研修会のシメの言葉は「顔の見える連携を構築しましょう。」であることが多い。在宅医療のスタッフは、何度も病院で行われる退院時共同ミーティングに参加をされているだろう。病院スタッフに顔見知りもできたかもしれない。しかし、それで何かが変わったと感じているだろうか?相変わらず、地域の医療現場での困りごとは多い。病院から自宅に帰ってきた患者さんにおいて、在宅医療のスタッフはよく以下のような問題に直面する。『この患者さんは自分の病状のことをどのように理解しているのだろうか?』『病院では、今後の病状の見通しについてどのような説明をしたのだろう?』『この量の薬を一体、誰が飲ませたらいいのか?』『果たして、このご主人が奥さんにインスリンを一日4回射てるのだろうか?』『この全身浮腫んだがん患者に高カロリー輸液の適応があるのだろうか?』上記のような在宅スタッフの困りごとは、退院時共同ミーティングに今後主治医となる在宅医師が赴き、在宅スタッフ側の中心になり、直接尋ねないことには、患者の為に最良の医療を行う検討会にはならず、病院側からの単なる報告、単なる指示になりやすい。
主治医となる在宅医が退院時共同ミーティングに不在の前提で、有意義な患者の為に最良な医療・ケアが提供するための話合いの方法を考えてみたい。ただ、「顔の見える連携を構築しましょう。」と言うだけでは、何も変わらないのだ。多職種連携は各論(どことどこの連携がうまくないのか?)について講演していただきました。
平野 和恵(がん研究会有明病院 緩和ケアセンター 医療連携部)
「患者と家族にとって有益な退院時共同ミーティングとは? ~看護師の立場から~」

退院時共同ミーティング(≒退院前カンファレンス)とは、退院後も計画的な治療やケアが必要な患者とその家族に対して、安心して自宅等で生活が再開できるように、ケア内容や療養上の注意点について、在宅の多職種が入院先に訪問し、患者と家族の意向を確認しながら直接情報共有を行う場である。在院日数の短縮化、独居・高齢者世帯の増加、療養者の公的サービス利用に対する理解や認知により、退院時共同ミーティングの開催は増加・周知されているが、果たしてすべてのミーティングが、患者や家族にとって、有益に実施されているだろうか
本シンポジウムでは、看護師である演者が、様々な立場で退院時共同ミーティングに参加した経験から、現状の問題点と今後の展望について講演していただきました。
安 泰成(国家公務員共済組合連合会 横須賀共済病院 薬剤科)
「必要ないとは言わせない!退院時共同ミーティング参加から広がるテーラーメイドな薬物療法」

医療と介護を取り巻く社会情勢の急激な変化と共に「病院が変わらなければならない時代」と言われて久しく、同時に医療はキュアからケアへと、病院から在宅医療への構造的シフトが進んでいる。薬剤師の領域でも同様に、病棟薬剤師常駐化とかかりつけ薬局制度が進み、各地域では様々な手法を用いて退院時共同指導が試みられているが、在宅を視野にいれた薬物治療への薬剤師介入は、マンパワー以上に不足している何かを感じる場合がある。
退院時共同ミーティングへの病院薬剤師の参加はマストなものと捕えているが、無関心や通り一辺倒の介入しか行えないケースも散見される。
在宅医療は保険薬局の関わりが中心と考えられがちだが、実際に在宅医療で維持すべき薬物療法の多くは入院期間中に調整されなければならず、それらの認識を病院薬剤師は高めなければならない。同効薬の重複削減はもとより、剤形や服用回数の考慮、必要最小限の薬物治療に努めることが重要である。コンプライアンスを強いるのではなく、病院と比べ自由度が高く介助者の少ない在宅生活に合わせて内服方法などにも目線を下げることも必要である。退院時に継続すべきプロブレムは保険薬局かかりつけ薬剤師と共有すべきである。
在宅テーラーメイドな薬物療法を多職種で考え継続する事は、投薬エラーの防止、アドヒアランスの向上につながり、疾病コントロールの改善により再入院を減らすことにつながる可能性があると、講演していただきました。
中島 夕美子(みなみ横浜ケアプランセンター)
「患者の在宅生活をイメージした退院時の服薬支援とは~退院時カンファレンスの現状をふまえて」

退院支援における特に服薬に関して、ケアマネジャーの立場から、現状の問題と課題について再考したいと思います。入院中に、入院前の生活も踏まえて、患者のこれからの在宅生活をイメージして、患者、家族とともに退院後の在宅生活の準備をするのが、退院支援におけるケアマネジャーの大切な役割の一つであると考えています。その際、服薬については、退院後も病状が安定した在宅生活を送るために、最も大切な検討事項の一つです。退院後の服薬管理、服薬状況を想定して検討した結果、医師に内服薬調整の相談が必要になる場合があります。例えば、物忘れがあり、1日3回の服薬は忘れてしまう。入院中に、薬を見直し1日1回の服薬に変更することは可能か?といったことが検討され、退院時処方がなされると、退院後の服薬状況は良好なものとなります。しかし患者の在宅生活がイメージされずに、退院時処方がなされた場合、服薬に合わせて在宅サービスを調整するには限界があり、医師の指示どおり内服できず再入院といった結果を招いてしまうことがあります。このような場面での薬剤師による支援を期待したいと思っています。
またケアマネジャーは、医療依存度の高い患者に対する在宅支援おいては、訪問薬剤師の役割についても理解を深め、在宅生活をマネジメントすることが求められると考えます。同様に、病院の医師にも、訪問薬剤師の役割と必要性を理解してもらわなければならない現状と課題があると感じています。薬剤師の訪問には医師の指示書が必要であるため、医師の理解は欠かせません。カンファレンスが開催される際のポイントとしては、多職種によるチームメンバー間の互いの専門性と役割の理解、円滑なコミュニケーションが図れることが重要であると、講演していただきました。
前田 桂吾(株式会社フロンティアファーマシー 社長室長)
「退院時共同指導について薬局の立場から考えること」

医療依存度の高い在宅患者さんを支えるために在宅専門薬局として業務を行っていると、退院時共同指導に呼ばれることもあります。どのような患者さんの場合に退院時共同指導に呼ばれるのか?その際には薬局薬剤師としてどのような視点で会議に臨んでいるのか?どのような項目を薬剤師より確認しているのか?どのように薬剤や機材などを調整しているのか?などをお示ししたいと思います。また、退院時共同指導についての問題点やその対処法、在宅専門薬局という視点で、退院時共同指導に対して日頃感じ・考えていることを、講演していただきました。
劇団 完熟みかん
劇団完熟みかんは横浜市を医師、看護師、薬剤師、ケアマネジャーなど、地域の医療、介護、福祉にかかわるメンバーで構成されている有志劇団で、地域包括医療を推進するための問題提起を行っている団体です。 この度のシンポジウムでは多職種連携に関する問題提起の寸劇をしていただきまいした。

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シンポジウム4

7月29日(土)15:20~17:20

会場
第6会場:パシフィコ横浜会議センター 5F 502
演題
「薬剤師に必要な死生観」
演者
オーガナイザー
井手口直子(帝京平成大学薬学部 教授)
座長
鈴木 順子(北里大学薬学部 社会薬学部門 教授)
演者
織田  聡(一般社団法人日本統合医療支援センター 代表理事)
木村 光希(株式会社おくりびとアカデミー 代表取締役)

織田 聡(一般社団法人日本統合医療支援センター 代表理事)
「薬剤師が看取りの場に居ることを考える」

臨済宗妙心寺派の僧侶の家系に生まれ、幼少の頃から生死について深く考える機会が多かったのですが、医療や介護の現場に出ると、その経験が少なからず役に立つ場面があります。健康にかかわる情報が氾濫し、患者さんの価値観が多様化するなか、臨終のあり方も大きく変わってきました。そして、いままであまり関わることのなかった薬剤師にも、終末期を在宅で過ごされる患者さんを他の職種と連携しながら支えることが求められるようになってきました。
職種により提供できるサービスは様々ですが、その根底に流れる理念は一致しておかなねれば、適切なサービスの提供も適正で効率的な労力の分配もできません。とくに死生観については、患者さん本人とご家族の思いが錯綜し、しかも病状とともに刻々と(場合によっては今までと180°真逆の考え方に)変化していきます。
今回は、感動で涙を誘うケースを佳しとするような、劇場化しやすい終末期の医療介護を生死観から見直し、臨終に際する薬剤師がもつべき死生観への柔軟性について講演していただきました。
木村 光希(株式会社おくりびとアカデミー 代表取締役)
『送りたい「キモチ」を「カタチ」にする。納棺士が考えるエンディング業界の未来』

医療技術の進歩や介護制度の発達により、多くの方がエンディングを迎えるまでに何らかの医療、介護のサポートを受けています。しかし、エンディングを担う葬儀関連事業者と医療、介護機関の連携は図れておらず様々な問題が発生しています。医療、介護、葬儀の現場からはこのような声もあがっています。「患者・家族から亡くなった後の不安や葬儀の事を相談されても積極的に対応できない」「遺体処置の際に必要な身体の症状、既往歴などを葬儀社に伝えられない」「利用者が亡くなった後は情報が入らない」「独居者や複雑な事情がある利用者の看取り後が心配」「エンディングに関わる個々の事情や希望、心情などの情報を共有しにくい」「故人の病歴などがわからず、感染症などへの対策がとりにくい」「遺体処置に関わる身体の状況や、家庭の事情、生前の希望なども把握することが難しい」納棺士として現場で活動していて最も感じるのが、故人様の終末期に関わっていた人々(ご家族、医療従事者、介護従事者等)と亡くなった後に関わる我々(納棺、葬儀業界人材)との間でのコミュニケーションがまだまだ取れていないということです。
「故人様らしさ」や故人様を想う方々の「送るキモチ」をカタチにするためには、納棺士だけでは実現できません。これから多死社会を迎える日本だからこそ、その中の1つの死に関わるのは私かもしれないし、あなたかもしれません。医療、介護、看護、納棺、葬儀といった専門家やたくさんのプロフェッショナルがいる現代だからこそ、死というお別れを迎えられたご遺族や故人様を私たちが強く連携しサポートしていく必要があると私たちは考えています。シンポジウムでは、現場で活躍する納棺士からのアンケートを元に、故人様に関わる方々に知って頂きたいことや実際に行って頂きたいことなどを体験談を交えながら講演していただきました。

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共催シンポジウム

7月29日(土)15:20~17:20

会場
第1会場:パシフィコ横浜会議センター 1F メインホール
演題
「自宅で安心して暮らせるために ~横浜発 多職種協働の目指すもの~」
演者
オーガナイザー
奈良  健(株式会社サン薬局 在宅薬物治療支援部長)
座長
山形 光正(一般社団法人横浜市薬剤師会 副会長)
講師
中里 裕之(ミチト薬局 在宅支援部長 グループ統括部長)
岡田 孝弘(オカダ外科医院 院長)
阿部 智彦(阿部歯科医院 院長)
河村 朋子(磯子区医師会訪問看護ステーション)
藤井 裕久(横浜市医療局疾病対策部長)
琴寄 理雄(日限山地域ケアプラザ 地域包括支援センター 主任ケアマネジャー)
共催
横浜市薬剤師会
横浜市医師会
横浜市歯科医師会
横浜在宅看護協議会

中里 裕之(ミチト薬局 在宅支援部長 グループ統括部長)
「在宅医療における薬剤師の必要性とニーズを考える」

現在、横浜市港南区の人口は21万人である。65歳以上の割合は27.5%であり、横浜市の割合の23.8%より高齢化が進んでいる。当薬局のある港南区野庭町地区に限っては高齢化率34.5%と平均よりかなり高い値である。今後、高齢者人口が増加し、団塊の世代が後期高齢者世代に達する2025年にはかなり深刻な問題になることは予想できる。この問題に行政、医療福祉職、地域資源が一丸となって取り組むことが急務である。高齢者は身体機能低下などから、何らかの健康問題を抱えている割合が他の世代よりも多い。そのため地域包括ケアシステムの構築により、住み慣れた地域で暮らすことを実現するために適切な医療、介護の提供が求められている。
患者個々のニーズにあった服薬支援と他職種に向けた情報(服薬状況、副作用情報等)の発信と情報収集をいかに有効に出来るかが訪問薬剤管理の肝と考える。多職種が薬剤師に何を求めて訪問薬剤管理を依頼しているのかそのニーズを考えることが重要であり、またそれ以上の付加価値を提供することで在宅医療における薬剤師の必要性の確立について、講演していただきました。
岡田 孝弘(オカダ外科医院 院長)
「自宅で安心して暮らせるために 医師の立場から」

以前は在宅医療を行いたい患者と家族が在宅医療を希望され在宅医療を行っていました。しかし、最近では在院日数の問題もありかなり医療依存度の高い患者も自宅へ帰っていることが多くなりました。この患者達は、病状が不安定なために日々状態が変動しやすいことと、安定した生活を得るためには多くの職種が関わる必要があることが特徴です。入院中であれは職種間の連携は比較的容易ですが在宅医療の現場では大変です。行き違い、思い違いなどから思わぬことが生じ安心して暮らせる環境からかけ離れてしまうこともあります。
ここで必要となってくるのが多職種連携です。退院前に病院スタッフと在宅で関わる事業所とのカンファレンスを行いシームレスな関係を維持することと、在宅で必要とされる対応について職種を超えて討議し、在宅スタッフの意思統一をし、みんなで考えた方針に沿ってみんなが連携し在宅医療に従事します。自宅へ訪問した他の職種からの情報収集は大事なので、訪問するみんなで書き込む介護ノートを利用することは多いと思います。シンポジウムでは、自宅へ訪問した他の職種からの情報収集のために運用している、インターネットを利用した介護ノートの活用について、講演していただきました。
阿部 智彦(阿部歯科医院 院長)
「多職種連携における問題点と今後の課題と展望」

神奈川県では、消費税増税分により、設立された介護医療総合確保基金を財源に、歯科医師会への委託事業として、在宅歯科医療拠点運営事業が始まりました。これにより、県内20カ所を目標に、在宅歯科医療連携室を設置がかいしされ、横浜市内においては、金沢区、青葉区、旭区、中区(横浜市歯科医師会)をかわきりに、今年度より、港北区、泉区、西区、鶴見区にも設置運営されることとなりました。それにより、連携の核となる地域包括支援センターを中心として、各医療機関やケアマネジャ、訪問看護ステーションなどとの連携のもと、在宅歯科医療を必要としている地域住民と歯科医師会会員を結ぶコーディネートをしています。また、一方では、在宅医療に係わる人材育成をめざし、年3回以上の研修会などを開催してきております。
地域で安心して暮らし、切れ目のない医療・介護サービスをうけられることをめざした、地域包括ケアシステムが叫ばれるなか、在宅医療においては、多職種連携は、それぞれの情報提供と情報の共有といった点できわめて不可欠な事柄です。このことを、多職種間でよく理解し、お互いを求めているにもかかわらず、現場ではなかなか進まない現状があります。
今回は、多職種間の問題点が顕在化し、共通の認識をもって、具体的な解決策と展望について、講演していただきました。
河村 朋子(磯子区医師会訪問看護ステーション)
「在宅療養を支えるチームとは」

時代は在宅医療に舵をきっている。よって重度の療養者も病院に入院していることが当たり前ではなくなり、QOLを重視したいと思っている。しかし現状は核家族化や高齢化で介護の担い手がいない。
ではどうすればいいのか。在宅サービスが高度化し、病院と在宅医療がもっと協力する必要がある。療養者の目標は①希望すれば誰でも在宅療養ができる。②病院と在宅がスムーズにつながり、切れ目のない医療が受けられる。③在宅時々入院で、長く自宅での生活が続けられる。具体策は①自宅で安心して介護看護、医療が受けられ、また提供できる。②病院と在宅、各専門職同士が互いに理解しあい、連携することができる。③ICTを活用して、確実で速い情報共有ができる。
多(他)職種連携とは難しいものであるが、今後市民のために必要なものでもある。おそらくは地域の連携は少しずつ進んでいるが、病院と在宅の連携が進んでいないと考えられる。さらなる連携に取り組んでいきたい。と講演していただきました。
藤井 裕久(横浜市医療局疾病対策部長)
「横浜市の未来を見据えたチーム医療を担う多職種連携」

横浜市では、平成25年に高齢化率が21%を超え、超高齢社会を迎えました。団塊の世代が全て後期高齢者となる2025年には、65歳以上の高齢者数が約100万人、高齢者率は26.1%に達すると見込まれています。また、要介護認定者数は1.5倍、在宅医療等対象者数は1.8倍、認知症高齢者数は1.4倍になると推計されています。
このような背景の中、横浜市では、今後増大するニーズや課題に対応するため“横浜型地域包括ケアシステム”の構築を進めているところです。“横浜型地域包括ケアシステム”は、本市の地域福祉推進を担う「地域ケアプラザ」を中心として、地域の特性に合致したきめの細かい取組を推進していることが特徴です。
他都市の例にもれず、横浜市においても高齢化社会、多死社会による在宅医療需要の増加が避けられない状況の中、市民が住み慣れた地域や自ら望む場所で安心して暮らし続けることが出来るための情報提供や環境整備を進めていくことが求められています。
本学会では、横浜市で実施した「自宅看取り」に関する死亡小票の分析結果を紹介するとともに、現場の現状と課題、だからこそ今取組むべき多職種連携の必要性について講演していただきました。
琴寄 理雄(日限山地域ケアプラザ 地域包括支援センター 主任ケアマネジャー)
「包括支援センターの役割と連携」

横浜では、地域ケアプラザの中に地域包括支援センターがあります。相談業務やケアマネジャー支援あるいは、地域づくりまでの役割をもっています。
個別という視点からは、入院中の患者さんが自宅では一人暮らしになる為、専門職の支援が必要と病院が判断をして相談員から管轄の包括支援センターに、「在宅で暮らす為の準備を整えて欲しい」との電話から始まります。ここでは大雑把ですが、①何時、何が原因で入院をされたのか?(今後も医療処置やリハが必要か判断)。②何時頃退院なのか?(退院までに介護保険やサービス導入が間に合うか)。③ADL(夜と昼トイレの様子等)。④認知症の有無(通院・服薬管理・金銭管理等)。⑤介護申請はしてあるのか?⑥本人の主訴、家族の主訴及び介護力等。様子を伺い。ご家族の了承を得ながら退院前カンファレンスで必要と思われる専門職のケアマネジャーや訪問看護ST等のメンバーに声をかけカンファレンスに同席して頂きます。改めてご本人とご家族の主訴、ご家族の介護力をアセスメントしサービスの必要量などを見積もります。また退院後の通院方法や服薬管理等について話し合います。時には、医師に生活背景をお伝えして1日に3度服用が必要な方でも自己管理が難しい事から、一包化して午前中のみの服用に切り替えて頂くなどのご協力を求める様なこともあります。
連携する上での注意点ですが、現場での利用者の状況変化に伴い、ご家族の気持ちや方向性が変わることが当然出てきます。その時々に応じた情報伝達と各職種ごとの迅速な対応が求められます。担当ケアマネジャーがいる場合はそのケアマネさんが情報の集約と発信を行いますが、介護サービスに繋がる前段階であれば、包括支援センターがその役割を担います。
シンポジウムでは、地域包括支援センターの取り組みについて講演していただきました。

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スイーツ・ランチョンセミナー

スイーツセミナー

7月29日(土)15:20~17:20

会場
第2会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 303
演題
「薬局3.0の確かな構築へのRoad Map
~薬剤師が医療介護現場で薬学的専門知識を駆使してより良い医療介護の提供を目指すために為すべきこと~」
演者
座長
宮田 俊男(みいクリニック院長/特定非営利活動法人 日本医療政策機構理 事/京都大学産官学連携本部客員教授)
橋田  亨(地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立医療センター中央市民病院 院長補佐・薬剤部長 治験・臨床試験管理センター長)
演者
赤羽根秀宜(中外合同法律事務所 弁護士)
狹間 研至(一般社団法人日本在宅薬学会 理事長)
共催
サノフィ株式会社

赤羽根 秀宜(中外合同法律事務所 弁護士)
「法律から考える薬剤師の本質的業務」

平26年6月、薬剤師法第25条の2が改正され、薬剤師が調剤した際の情報提供義務に加えて「必要な薬学的知見に基づく指導」義務が追加された。この指導義務が加ったことにより、薬剤師は、今まで以上に患者毎への個別の指導が要求されている。また、平成27年10月には、厚生労働省から「患者のための薬局ビジョン」が示され、「対物業務から対人業務へ」という方向性が示され、薬剤師の業務は大きく変わってきているといっていいだろう。一方、薬剤師の業務に専門性や対人業務が増えることで、薬剤師の負担が増加することも想定される。そのため、薬剤師業務においても、機械や非薬剤師の活用を考えなければならない。法的には、「調剤」業務に関しては、薬剤師の独占業務であり、薬剤師以外が行うことは許されない(薬剤師法19条)。もっとも、「調剤」については、法的に明確な定義がないため、この検討も重要な問題である。また、薬剤師法19条以外にも、薬剤師法においては、薬剤師の義務として、前記の指導義務や調剤された薬剤の表示義務(薬剤師法25条)等が課せられている。さらに、残薬の確認・調整、服用後の経過の観察や処方提案等、法律上明確には定められていないが、近年薬剤師に期待がされている業務もある。現在の薬剤師の業務量から考えて、これらの業務を全て薬剤師自身が行うことは現実的ではなく、「薬剤師が薬学的専門知識を駆使してより良い医療介護の提供を目指すため」には、機械や非薬剤師の活用が不可欠であろう。しかし、法律に反して行うことに問題があることは言うまでもなく、法的な視点から業務を検討することは必要不可欠である。また、法的な視点だけでなく、適切な薬物療法を行うという視点からも薬剤師業務の検討について、講演していただきました。
狹間 研至(一般社団法人日本在宅薬学会 理事長)
「パートナー制度を推進するために理解すべき3つのポイント
〜薬剤師による在宅療養支援のWhy,What, and How〜」

少子化と高齢化が同時に進行する我が国で、国民皆保険制度を堅持しつつ、誰もが安心して医療を受けられる環境を提供しつつづけるには、社会保障制度の抜本的な見直しが必要だと考えられてきた。私自身が、1995年から医師として、また、2004年から薬局経営者として日本の医療業界に関わってきた中で感じている一番大きな変化は、「医療機関」から「在宅・介護施設」へと医療の現場が変わりつつあることである。
1つめは、医療費の適正化のために入院のベッド数を減らし、入院期間を短くしようという動きである。入院医療費は医療コストに加えて、ホテルコストもかかるためどうしても保険で負担する費用が高額になってしまう。病状的には通院で行える治療を受けている方や、医療的と言うよりは社会的要因で入院される方などは、やはり、しかるべき場所で医療を受けることは、必然的に進んでいくだろうと思われる。
2つめは、医療とICT(Information Communication Technology)が急速に進歩していることである。低侵襲手術や様々な薬剤の経口薬・貼付薬の開発は、医療機関以外で医療を受けることのリスクを下げ、可能性を挙げられるようになってきた。今後、インターネットインフラの整備や、ハード機器のコスト低下などによって、これらの動きはさらに加速していくことが予想される。
3つめは、患者さんの高齢化と処方の長期化によって、自力で医療機関を受診できる絶対数が減少するという動きである。高齢化による認知機能やADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の低下は、必然的に病院を一人で受診する患者数が減少するとともに、医療機関以外の場所で長期に療養する患者さんが増えることを意味している。このような患者さんも医師による診察と処方、さらには様々な体調変化に対応する体制が必要なため、訪問診療が行われることになる。
私が本会を立ち上げてから8年あまり、一番苦労したのがこの3つめの条件を同クリアするかであったが、ようやく自分での薬局の経験を踏まえて見えてきた方向性がある。それが、薬局における非薬剤師スタッフの活用であるが、なかなかわかりづらく試行錯誤を続けてきた。しかし、「薬剤師の本質的業務を考えること」が、すなわち「薬局における非薬剤師業務を考えることになる」ということが明らかになってきた。
本講演では、薬剤師が在宅に踏み出せるための3つの要件を考えて行くなかで、「パートナー制度」を考えるための3つのポイントについて講演していただきました。

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ランチョンセミナー1

7月29日(土)11:30~12:30

会場
第1会場:パシフィコ横浜会議センター 1F メインホール
演題
「認知症簡易スクリーニングTOP-Q ー2~3分の自然な会話でできる物品不要の問診技術ー」
演者
座長
狹間 研至(一般社団法人日本在宅薬学会 理事長)
演者
工藤 千秋(一般社団法人 大森医師会 認知症担当理事/大田区三医師会認知症研究会/くどうちあき脳神経外科クリニック院長)
共催
エーザイ株式会社

工藤 千秋(一般社団法人 大森医師会 認知症担当理事/大田区三医師会認知症研究会/くどうちあき脳神経外科クリニック院長)
「認知症簡易スクリーニング TOP-Q(トップQ)
-2~3 分の自然な会話で行える物品不要の問診技術-」

TOP-Q(Tokyo Omori Primary Questionales)は、2014年に東京都大森医師会から発表された被験者への心理的負担を軽くし、2-3分間の自然な会話と簡単な動作で認知症評価を可能にする、物品不要な簡易スクリーニング法である1)。(現在はTokyo Primary Questionalesとなっている。)
TOP-Qはかかりつけ医、薬剤師、介護職でも実施可能な簡単な問診技術であり、認知症の早期弁別や介護度の予見を容易にする。さらに、詳しい検査をすすめるために認知症地域連携パス(専門医)に誘導する契機になると考える。
昨今、ケアマネジャーや看護師による患者訪問時のみならず、調剤薬局における服薬指導時や歯科治療時などでもTOP-Q運用がトレンドとなり、認知症スクリーニングの裾野の広がりについて、講演していただきました。

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ランチョンセミナー2

7月29日(土)11:30~12:30

会場
第2会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 303
演題
「在宅医療と漢方」
演者
座長
宮田 俊男(みいクリニック院長/特定非営利活動法人 日本医療政策機構理事/京都大学産官学連携本部客員教授)
演者
三宅敬二郎(在宅診療 敬二郎クリニック 院長)
共催
株式会社ツムラ

三宅 敬二郎(在宅診療 敬二郎クリニック 院長)
「在宅医療と漢方」

私は約10年前に外科医より転身し在宅診療専門のクリニックを開設した。少子高齢化、2025年問題を抱えた日本において、在宅医療の充実は必要不可欠である。在宅医療に関わる職種は多く、それら専門職が連携して初めて在宅患者を支援できる。同業種との連携だけでなく、異業種との連携も必要であり、多職種の連携が在宅患者を支えるだけでなく支える我々の支えにもなる。在宅現場での薬局には4アクセスの役割があり、多職種とのハブ機能を担い、地域包括ケアシステムを担う一構成員であるという認識が必要である。在宅現場で薬剤師への期待は大きく、私自身、日々の診療で多大な援助を受けている。急性期治療を終えた患者さんや終末期の患者さんが多い在宅では治す医療の目線(CURE目線)では限界を感じる事も多い。その時に支える視線(CARE目線)で患者さんを見る必要がある。東洋医学では病気になる前を未病と呼ぶが、西洋医学では限界の場合や積極的な治療の段階で無いという状態はある意味未病と同じと捉える事ができると思う。患者さんは病気を持つ人ではなく、病む人と見れば在宅では漢方薬に寄せる期待は大きい。
本セミナーはまだ一歩踏み出せない薬剤師さんに一人でも多く在宅医療の門を叩いて頂きたい。すでに在宅の現場で御活躍の薬剤師さんにはさらに多くの喜びを感じるよう精進して頂きたいという願いを込めた講演をしていただきました。

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ランチョンセミナー3

7月29日(土)11:30~12:30

会場
第3会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 304
演題
「女性のトータルライフをサポートする女性ホルモン -大豆由来の成分エクオールの可能性-」
演者
座長
奈良  健(株式会社サン薬局 在宅薬物治療支援部長)
演者
白土なほ子(昭和大学医学部 産婦人科学講座 講師)
共催
大塚製薬株式会社

白土 なほ子(昭和大学医学部 産婦人科学講座 講師)
「女性のトータルライフをサポートする女性ホルモン -大豆由来の成分エクオールの可能性-」

近年、日本は人口構成において、世界で最も高齢化が進んだ国の一つである。このような高齢化社会において、女性の平均寿命は男性より長い反面、健康寿命との乖離が大きな問題となっており、女性高齢者の健康寿命の延伸は最重要課題となっており、人生の折り返し地点である更年期における適切な対応が女性の健康寿命の延伸に寄与する可能性がある。すなわち,更年期障害に対するエストロゲンを用いた治療や,その後に続く要介護や寝たきりの原因となる動脈硬化の進展および骨量減少に対する婦人科的な管理である。その代表例としてHRTが上げられる。更年期症状の緩和に加え抗加齢作用としての有用性が知られている。ただ、国内においては女性のHRTに対するアレルギーが根強く、またホルモン依存性の腫瘍性疾患や血栓症の既往など、HRTが出来ない女性も少なくない
本セミナーでは、最近の婦人科領域における健康寿命延伸に対する臨床的なアプローチを紹介しつつ、エクオール(大豆イソフラボンが腸内細菌により代謝されて産生される)の多様な効果とその臨床応用の可能性について講演していただきました。

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ランチョンセミナー4

7月29日(土)11:30~12:30

会場
第4会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 311 + 312
演題
「2016年度改定を踏まえて 2018年度改定に向けての薬局マネジメント」
演者
座長
島田 光明(株式会社ファーコス 代表取締役社長)
演者
大澤 光司(株式会社メディカルグリーン 代表取締役社長)
共催
日本ケミファ株式会社

大澤 光司(株式会社メディカルグリーン 代表取締役社長)
「2016年度改定を踏まえて 2018年度改定に向けての薬局マネジメント」

2016年4月の調剤報酬改定において、薬剤師の業務に対する新たな評価として「かかりつけ薬剤師」という考え方が取り入れられました。この考え方のベースには2015年に厚生労働省が発表した「患者のための薬局ビジョン」があると思われます。新たな評価という事もあるのか、現時点(2017年5月)では、まだまだ一般的な普及とはなっていない様に感じます。一方、超高齢社会を迎えた日本において、医療スタッフが連携する、チームによる在宅医療の推進、そして団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて介護職や地域住民とも協働する地域包括ケアシステムを構築する事は、今後の医療介護を支える上で大変重要と考えらえています。そんな中で、薬剤師もチームの一員として、積極的に在宅業務に取り組む事が重要です。
2016年4月改定では、基準調剤加算の算定要件に「在宅業務の実績」が必須となるなど薬局・薬剤師が在宅業務に取り組む事への期待が年々高まっている事を感じます。今回の講演では、こういった時代背景の中で、薬局・薬剤師が今後取り組むべき課題や方向性について、薬局マネジメントという観点から講演していただきました。

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ランチョンセミナー5

7月29日(土)11:30~12:30

会場
第5会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 313 + 314
演題
「高齢者における外用剤適正使用」
演者
座長
松野 英子(たんぽぽ薬局 取締役 薬局事業本部 本部長)
演者
大井 一弥(鈴鹿医療科学大学薬学部 病態・治療学分野 臨床薬理学研究室 教授)
共催
マルホ株式会社

大井 一弥(鈴鹿医療科学大学薬学部 病態・治療学分野 臨床薬理学研究室 教授)
「高齢者における外用剤適正使用」

皮膚は角層を最外層にして、正常にバリア機能が働き、角層水分量は変動することなく潤いを保っている。
しかし高齢者では、痒くなる、赤くなるなど何らかの症状変化を来たしやすく肉眼で観察できるため、誰しも気になる。それにも関わらず、加齢によるものとして、高齢者本人および医療従事者も見過ごす場合も多く、放置によって感染症を招くこともある。
在宅医療が対象の高齢者では、未だ軟膏基剤が保湿を目的として多く使用されているが、油膜により一定の水分の保持効果はあるものの、べたつくことで貼付剤を使用する際には剥がれやすい一面もある。ヘパリン類似物質製剤は、保湿効果に加えて刺激性は少なく、臨床現場ではステロイドとの併用も数多くなされている。
薬剤師は、単に保湿剤を選択するだけでなく、高齢者の生活スタイルも考慮すべきである。皮膚の状態は、一見軽微で客観的数値により示しにくいが、乾燥皮膚の悪化は、褥瘡の発症や経皮吸収型製剤の貼付性や吸収に影響をもたらすことが知られている。
皮膚の状態は加齢や環境因子だけでなく、疾患によっても影響を受けることから、併存疾患の多い高齢者の皮膚は、外用剤の適正使用と共に栄養面や内服薬の服用剤数も十分に配慮していく必要があると講演していただきました。

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ワークショップ

ワークショップ1

7月29日(土)13:00~15:00

会場
第4会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 311 + 312
演題
『【 問題提起型 症例検討をしてみよう】~漢方相談カルテを読み取り、患者さんのベースになる漢方薬 処方提案の体験を~』
演者
オーガナイザー兼座長
長井 彰子(有限会社あやせ薬局)
講師
狹間 紀代(ファルメディコ株式会社 代表取締役会長)
ファシリテーター代表
田崎恵玲奈(さかい薬局グループ 株式会社薬心堂 統括本部長)
ファシリテーター
井上 康子(ファルメディコ株式会社 ハザマ薬局)
鏑城 正則(株式会社アポロン 代表取締役)
鎌田 名月(クオール薬局ライフ店)
武川 利信(大津屋薬局)
寺本  仁(株式会社スペース あおい薬局)
中井賀世子(近畿大学医学部附属病院東洋医学研究所)
長井 晴教(ファルメディコ株式会社 ハザマ薬局)
鈴木美威瑠(日本調剤株式会社)
島田 和彦(わかくさ薬局グループ)
松岡由美子(ファルメディコ株式会社 ハザマ薬局)

狹間 紀代(ファルメディコ株式会社 代表取締役会長)
『【 問題提起型 症例検討をしてみよう】
~漢方相談カルテを読み取り、患者さんのベースになる漢方薬 処方提案の体験を~』

薬剤師が、薬局店頭で、在宅業務で、漢方薬を使いこなせる為の第一歩と考えてのワークショップで した。
1.人間の身体を3つの体質に分けて考えてみよう!
2.漢方薬をベースに使えば、多剤併用されている患者さんに対して減薬が可能になるのでは!
3.店頭でのおクスリの相談を受けた際に漢方薬を提案する術を身に付けるには!
冒頭に総論をスライドを使ってお話し、全体像をとらえた後、漢方相談カルテに書込まれた症例を各グループで検討。その後、医師の処方䇳を頭に入れつつ症状を考えながらベースに漢方薬を使う事で処方薬の減薬を考えるところまで進めていただきました。

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ワークショップ2

7月29日(土)15:20~18:00

会場
第4会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 311 + 312
演題
『初めて「質的研究」を行う人のための質的研究プロトコール・ワークショップ』
演者
オーガナイザー兼座長
井手口直子(帝京平成大学薬学部 教授)
座長
名倉 弘哲(岡山大学大学院医歯薬学研究科 救急薬学分野 教授)
演者
大谷  尚(名古屋大学大学院教育発達科学研究科 教授)

大谷 尚(名古屋大学大学院教育発達科学研究科 教授)
『初めて「質的研究」を行う人のための質的研究プロトコール・ワークショップ』

今日、医療のさまざまな領域で質的研究が盛んに行われるようになっている。質的研究では、量的研究では扱えない問題を扱うことができる。しかしながら、質的研究ではどのようなリサーチクエスチョンを設定し、研究全体をどのようにデザインするべきかについて、的確で具体的なインストラクションとトレーニングを受けられる機会はほとんどない。そのため、量的研究に慣れた者が質的研究をデザインして実施しようとすれば、両者の違いからさまざまな障害を抱え込むことになる。たとえば、量的な概念と質的な概念とが混乱した質的研究をデザインしてしまったり、量的研究の考え方に拘束された歪んだ質的研究をデザインしてしまったりすることがある。またたとえば、そのような問題を克服して質的研究がデザインできるようになったとしても、医療における研究プロトコルは量的研究を基盤として成立しているため、量的研究のプロトコルになれたIRBの委員に適切な評価を受けられるような質的研究のプロトコルを書くことはきわめて難しい。そのため、良い研究デザインができてもそれを良いプロトコルとして書くことができず、IRBの理解が得られずに研究が開始できなかったり、研究の本質を変更しなければならないような大幅な修正を求められてしまったりすることも起きている。
ワークショップでは、参加者が、量的研究者が了解可能な適切な形式で質的研究のプロトコルを書けるようになることを目標として、講演していただきました。

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スポンサードワークショップ

7月29日(土)15:30~18:00

会場
第3会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 304
演題
「~みんなで生討論~ 患者が帰宅するために薬剤師が輸液・注射薬でできること」
演者
オーガナイザー兼司会
小黒佳代子(株式会社ファーマ・プラス 専務取締役)
中田 英夫(慶應義塾大学病院薬剤部)
演者
小黒佳代子(株式会社ファーマ・プラス 専務取締役)
中田 英夫(慶應義塾大学病院薬剤部)
共催
ニプロ株式会社

小黒 佳代子(株式会社ファーマ・プラス 専務取締役)
~みんなで生討論~ 患者が帰宅するために薬剤師が輸液・注射薬でできること

輸液や注射薬を使用している患者が自宅で療養を継続する際には、薬剤をどのように継続して使用するかが課題となります。病院では常に医療スタッフが見守りながら療養し、輸液がなくなれば交換されるし、症状に応じて注射薬が適宜追加されたりします。しかし在宅では、在宅という環境や介護力などの問題から病院での薬剤がそのまま使用することはできませんし、病院のような装備をそのまま在宅に持ち込むことは、ご家族の不安や障害となることもあります。そのために自宅に帰りたいと望む患者さんの願いが叶えられないこともあります。在宅で療養する際に薬剤をどのように変更するかは、療養の目標をどのように設定するかによって変わってくると思いますし、患者さん個々や環境によって様々な選択があると思います。
薬剤の性質、混注の可否、剤形、使用するデバイスなど、薬剤師として専門性を駆使して患者さんの在宅復帰のための方法をどれだけ提案できるか、また復帰後にどのようにフォローし、薬物療法の効果を確認していくか、具体的な症例を検討するワークショップをしていただきました。
中田 英夫(慶應義塾大学病院薬剤部)
~輸液ワークショップ 「教育講義」

在宅医療は入院、外来に次ぐ第3の医療といわれており、わが国が直面している急速な高齢化への対策の一つとして近年注目されてきている。
住み慣れた自宅での療養は患者のQOL向上が期待できる一方で、医師や看護師が患者の近くで医療やケアを提供する入院療養とは異なり、食事ケアだけではなく日常的なケアも家族が行うために患者家族の負担が大きくなることや、サポートする医療スタッフも個々の職種が別々の組織に属していることから、緊密な連携が難しいなどの問題点があげられている。
薬剤師はこれまでも医療スタッフの一員として、調剤および患者宅への医薬品や衛生材料の供給、一包化などの服薬支援、服薬指導や症状モニタリングなどの薬学的管理を行ってきていたが、近年在宅医療の分野で、診療の質的向上や患者サポートを目的として積極的な参画が求められている。特に、水分や栄養分が経口的に摂取できない患者に対する輸液療法では、入院環境と比べて限られた薬剤の選択肢、物的および人的資源で実施しなければならないため、患者の状態を把握した上で薬剤やラインの選択、配合変化の確認する点、無菌調製の実施、薬剤搬送など、薬剤師の専門性を十分に発揮できる領域であると考える。
本講義では、在宅医療における輸液療法に薬剤師として携わるために、大きなハードルとなっている輸液に関する薬剤の特徴や配合変化、輸液関連デバイス等の知識について、医師や看護師との多職種連携、病院と薬局の薬薬連携を実践できるための基本的な知識を身につけることを目的として解説していただきました。

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