学術大会2日目の様子

学術大会2日目はモーニングセミナーの開催がありました。
早朝より多くの皆様にご参加いただき、関心の深さを感じる印象的な講演となりました。
シンポジウム・一般公開セミナー・ワークショップと、著名な先生方に大きな力をいただく講演となりました。

モーニングセミナー

モーニングセミナー1

7月30日(日)07:50~08:50

会場
第2会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 303
演題
「おいしいからこそ、健康に。インターネット・レシピサイトを活用した食事療法と家庭目線の重要性」
演者
座長
井手口直子(帝京平成大学薬学部 教授)
演者
野尻 哲也(株式会社おいしい健康 代表取締役社長)
共催
武田テバファーマ株式会社

野尻 哲也(株式会社おいしい健康 代表取締役社長)
「おいしいからこそ、健康に。インターネット・レシピサイトを活用した食事療法と家庭目線の重要性」

我が国における高血圧性疾患・糖尿病・脂質異常症の総患者数は1500万人を数え、依然として増加し続けている。
当社では、生活習慣病の予防・重症化防止に向けた食事管理を家庭で継続できるよう、ウェブを活用した支援サービス「おいしい健康(以下、当サービス)」を提供している。具体的には、PCやスマートフォンを通じて、利用者自身の健康状態・栄養基準に適したレシピを検索したり、献立を作ったりすることができるサイトである。
当サービスは、国内最大のレシピコミュニティである「クックパッド」から着想を得ている。クックパッドの月間利用者数は6000万人に及ぶが、人気の理由はひとえに「家庭目線の料理の手軽さ・おいしさ」にある。私たちは生活習慣病の治療および予防においても同様に「食の楽しみ」が重要であると考え、食事療法の負担を最小化し、家庭において適切な食生活を送ってもらうことを目指している。
今回のセミナーでは、「家庭目線にたった形での、食事・服薬支援の連携可能性」について、講演していただきました。

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モーニングセミナー2

7月30日(日)07:50~08:50

会場
第3会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 304
演題
「薬局のICT化とロコモティブシンドローム
~電子お薬手帳・訪問薬剤管理支援システムの必要性~」
演者
座長
平井みどり(神戸大学 名誉教授)
演者
木村 友泉(LHJメソッド代表トレーナー/予防医薬研究所所長)
共催
株式会社リーベンス

木村 友泉(LHJメソッド代表トレーナー/予防医薬研究所所長)
「薬局のICT化とロコモティブシンドローム ~電子お薬手帳・訪問薬剤管理支援システムの必要性~」

映画や小説ではありませんが、もし貴方が30年後の日本にタイムスリップをしたら、そこはどんな社会だと思いますか?2047年は必ずやって来ます。
そこは、65歳以上の人口が約40%を占める稀代の『超高齢化社会』と言われています。
この30年でIT技術は劇的に進化し、チェス・将棋・囲碁の世界では、人工知能が人間を凌駕しています。そんな30年後を予想していた人は当時いたでしょうか?大手企業でさえ運営方針を見誤ると経営基盤が揺れてしまうこの激動の時代を生き残るために、ITを味方につけて活用することは必須条件となります。
コンピュータの世界でも量子コンピュータの登場でICTは一気に加速しています。薬局のICT化を助ける『電子お薬手帳の活用法』と薬剤師にとって煩雑な事務作業となる『訪問薬剤管理指導料の算出や書類作成の効率アップ方法』、『薬剤師だからできるロコモティブシンドローム対策』など、時代の波に乗って地域包括ケアシステムの中心となれる貴重な情報について、講演していただきました。

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シンポジウム

シンポジウム5

7月30日(日)9:00~11:00

会場
第1会場:パシフィコ横浜会議センター 1F メインホール
演題
「在宅における薬剤師による栄養管理と多職種連携」
演者
オーガナイザー兼座長
安井  浩(株式会社玉屋利兵衛代表取締役)
演者
野原 幹司(大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学教室 准教授)
出口 弘直(勝和会病院 薬剤部)
豊田 義貞(株式会社龍生堂本店)
清水 陽平(社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス海老名メディカルプラザ栄養科 主任)
宮司 智子(医療法人新都市医療研究会「君津」会 南大和病院栄養部 科長)

野原 幹司(大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学教室 准教授)
「薬学的視点からみた在宅栄養管理 ~薬剤性嚥下障害への対応~」

シンポジウムのテーマを見てTPN製剤の調剤や経腸栄養剤の使い分けの話が浮かんだ方も多いかもしれない。確かに、それらは在宅の薬剤師にとって非常に重要な知識である。日本静脈経腸栄養学会でも薬剤師部会が組織され、静脈・経管栄養に関するセミナーや勉強会も盛り上がりをみせている。しかし、究極の栄養管理は静脈・経管栄養ではなく経口摂取によるものである。とくに在宅の栄養管理においては経口摂取の比重が重くなる。すなわち薬剤師が在宅の栄養管理の多職種連携に加わるには、嚥下障害を改善する知識や手段を持ち合わせていることが求められる。
今回のシンポジウムでは、これら嚥下機能を改善する薬剤と悪化させる薬剤について最新の知見と臨床動画を交えて取り上げてみたい。在宅の栄養管理において、薬剤師にできることが思った以上に多いことに気づいていただけると思う。
嚥下訓練に限界がある在宅症例においては、薬剤からのアプローチは非常に大きな武器となる。今回のシンポジウムでは、投薬内容を見直すことで改善する嚥下障害について講演していただきました。
出口 弘直(勝和会病院 薬剤部)
「在宅における薬剤師による栄養管理と多職種連携」

現在、主に病院ではNST(Nutrition Support Team)という形で医師、看護師、管理栄養士など多職種と共に薬剤師も情報を共有しながら治療における栄養摂取の状況と栄養状態の評価を行いながら、より良い薬物治療を提供する事が求められ実践されています。病院を退院した後の在宅においても薬剤の効能効果、副作用などを確認する前提として食事摂取状況の確認、栄養状態の評価などは睡眠や排泄、バイタルサインと同じ様に治療の基礎となる全身状態の評価として必須の事項と言われています。
管理栄養士や看護師など多職種を交えた栄養摂取のディスカッションにおいてこれまで薬学部で学んできた知識をどの様に多職種との連携に活かしていけば良いのか?そのために必要な薬剤に限らない情報として何を知っておくべきか?このセッションで一緒に学ぶために、今回は主に注射薬処方提案から学んできた水分管理とアミノ酸代謝を元に医薬品、食品の区別なく理解できる製剤の見分け方のヒントとなるお話をしていただきました。
豊田 義貞(株式会社龍生堂本店)
「薬局発・在宅栄養ケアの省察的実践 ~よくしたいのは値か?人か?~」

私たちにとって栄養とは、単に身体を構成する「栄養素」という意味合いだけでなく、心理的満足や社会形成を担う言葉としても使用されています。そしてそのライフサイクルにおいて、誕生・成長発達のほか決して免れない生老病死を以って、必要な栄養は質・量ともに絶えず変化します。例えば乳幼児、未病の成人、要介護高齢者、この三者間で必要栄養素は体重あたりに換算したとしても異なりますし、摂取方法も違ってきます。また医療従事者側が専門的知識から必要と考えるものと、当事者が期待するものとは、一致しないことのほうが多いでしょう。このように栄養とは多面的な意味をもつことから、全人的に当事者を理解したうえで栄養管理を実施することが、とくに在宅医療の現場では望まれています。
今シンポジウムでは専門知識として、処方箋を通じて交付可能な栄養剤や輸液剤、また薬局から販売供給できる栄養補助食品等の特徴を、各ライフサイクルに照らし合わせながら、その適応と限界を中心に講演していただきました。
清水 陽平(社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス海老名メディカルプラザ栄養科 主任)
「たかが体重、されど体重。体重が教えてくれること」

いつでも誰でもどこででも評価できる項目として、私が在宅での栄養管理の評価項目として大事にしているものがある。それが「体重」である。在宅での栄養管理のポイントは、対象者にとって必要なエネルギー及びたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル等を提供できているかである。その評価を行う上で、体重は必要と考えるのである。なぜならば、必要以上のエネルギー投与は体重増加として表現され、不足している場合は体重減少で表現されるからである。
より良い在宅栄養管理は管理栄養士だけではとうてい不可能であり、多職種協同にて取り組まなければならない。在宅での栄養管理を行っていく上で、常に対象者の今の状況が本当に最良なのかどうか?に疑問を持つことが大切であり、重要な視点になりうると考えている。栄養投与ルートにおいては、経口、経腸、静脈の3つが考えられ、併用している場合もある。経口の場合には、嚥下調整食から普通食へ移行できないのか?経腸、静脈の場合には、経腸栄養に移行できないのか?本当に食べられないのか?など、現実をそのまま受け入れるのではなく、疑ってみる目と力を養う必要があると考える。本日は、主に在宅での静脈栄養管理の症例を提示し、その可能性と現実とのギャップについて講演していただきました。
宮司 智子(医療法人新都市医療研究会「君津」会 南大和病院栄養部 科長)
「管理栄養士が考える在宅における薬剤師との連携ポイント」

在宅療養生活の中で食事は大きな割合を占めている。しかし、老々介護や、介護者不在といった問題から、潜在的に栄養管理が必要な高齢者は少なくない。このような状況の中で日本栄養士会、日本在宅栄養管理学会では、地域で栄養管理ができる在宅訪問管理栄養士の養成と認定栄養ケア・ステーションの設置を推進し、管理栄養士が訪問栄養食事指導を行っている。
管理栄養士は訪問時「見る(診る)・触る・測る」をポイントにおいてアセスメントを行っている。「見る(診る)」は皮膚や口腔内の状態等療養者の観察だけでなく、冷蔵庫の中の食材や、台所にある調理器具を確認するなど家庭内の様子から生活状況を推察する。「触る」は療養者の手を握ったり足に触れたりして、脱水や浮腫の有無の確認等をする。「測る」は身体計測やバイタルはもちろんのこと、食事の量や服薬の確認等を行う。そしてこれらの情報から栄養学的問題を抽出し、さらに療養者、家族の希望をくみ取り栄養管理計画を立てる。今回は実例を通して、在宅栄養管理における多職種連携について講演していただきました。

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シンポジウム6

7月30日(日)9:00~11:00

会場
第2会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 303
演題
「難病ケアにおけるロボティクスとQOL-HALとOrihimeの挑戦」
演者
オーガナイザー
井手口直子(帝京平成大学薬学部 教授)
座長
金子  健(慶應義塾大学病院 薬剤部/緩和ケアセンター)
前田 桂吾(株式会社フロンティアファーマシー 社長室長)
基調講演
中島  孝(国立病院機構 新潟病院 院長)
演者
吉藤健太朗(株式会社オリィ研究所 代表取締役所長)
仲佐 昭彦(OriHimeスペースフライトプロジェクトチーム プロジェクトリーダー)
嶋守 恵之(一般社団法人 日本ALS協会 理事)
後援
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
平成27年度~29年度、難治性疾患実用化研究事業、「希少難治性脳・脊髄疾患の歩行障害に 対する生体電位駆動型下肢装着型補助ロボット(HAL-HN01)を用いた新たな治療実用化 のための多施設共同医師主導治験の実施研究」(研究開発代表者 中島孝)

中島 孝(国立病院機構 新潟病院 院長)
「最新医療機器HALの利用と新たな健康概念・患者の報告するアウトカム評価(PRO)」

医薬品、医療機器、福祉用具は治療、療養の支援に使われている。今まで、人は、化学物質や動植物由来材料を医療に使うことで医薬品をつくり、機器を病気の療養の質の向上のためにつかってきた。現代のロボティクス、情報通信技術の進歩によって、革新的な治療技術が生み出されてきた。そこで、人と機器とのあらたな関係性を再度振り返り、医療や在宅ケアにさらに活かしていく必要がある。サイバニクス(Cybernics)はCybernetics、Mechatronics、Informaticsを融合した機器と人の身体/脳がリアルタイムに情報を交換して人を支援する技術概念であり筑波大学の山海が提唱している。
現代医療や臨床試験では医療のアウトカムをQOLとしてではなく、「PatientReported Outcome;PRO」として捉える研究が開始されている。これは、患者さんの報告する結果を評価しようというものである。対象は症状、身体機能、健康状態、生活の質、医療の質などいずれもよい。PROは患者の「構成概念」であり、人の主観概念である。主観概念が協同的・社会的になったものが客観と言える。最終的に治療法がいいかどうかは構成概念である。健康関連QOLとしてのEQ5D,PROとしてのSEIQoL、日本語版Decision regret scaleなども紹介していただきました。
吉藤健太朗(株式会社オリィ研究所 代表取締役所長)
オリヒメとは何かという話から、"寂しさ"や"孤独感"というストレス、生きがいの低下という問題の解決に向けて、現場で実際にオリヒメがどのように使われているのか、映像を交えながら貴重なご講演をしていただきました。

仲佐 昭彦(OriHimeスペースフライトプロジェクトチーム プロジェクトリーダー)
「子どもたちとの宇宙(SORA)への挑戦」

第8回日本在宅薬学会にて分身ロボット「OriHime」と出会い、「子供たちを、宇宙へ連れて行きましょう」と、私の一言から本プロジェクトがスタートした。本プロジェクトは、OriHimeを通して、難病患者だけでなく、病室で過ごす子供たちを、宇宙に連れていくことを目標にかかげた夢のあるプロジェクトである。
私は、これまで、さまざまな医療機器を開発してきたが、以前、放映されたドラマ「下町ロケット」のように日本を代表する大企業や宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、宇宙開発も進めてきた。これまで、2回、私が開発した製品が宇宙へとフライトし、昨年は、国家プロジェクト、小動物飼育・全数生還という世界初の偉業を支えてきた。
しかし、何から始めればいいのか、何が必要なのか、私自身が宇宙開発に関わってはいたものの、「ゼロから1へのコトづくり」は容易なことではなかった。シンポジウムでは、メンバーや宇宙飛行士との出会いにはじまり、JAXAや関係団体と打ち合わせを重ねてプロジェクトを進めてきたこれまでの取り組みと今後の展開について講演していただきました。
嶋守 恵之(一般社団法人 日本ALS協会 理事)
「ロボティクスの力で自分を取り戻す」

私は2008年に発症したALS患者である。2011年の気管切開以来、外出と言えば近所の散歩が中心だった。寝たきりではないが、積極的に社会参加するという感じでもなかった。そんなとき、ALSの進行抑制薬であるラジカットが世界に先駆けて日本で承認され、海外の患者から自分たちも使えないかという問い合わせが、患者会の日本ALS協会に相次いだ。協会の研究助成部会の一員であった私は、発病前に勤めていた外務省の同僚にアドバイスを求めた。同僚は厚生労働省も交えた会議をアレンジしてくれた。ところが、近所の散歩しかしていない私にとって、霞が関の会議に参加することは介護者も確保できないし、まったく不可能だった。そのような私の状況を見て、協会の役員がオリヒメを使って参加することを提案してくれた。当日は私が自宅のベッドからオリヒメを操作し、会場では吉藤さんがオリヒメのセッティングを担当してくれた。会議は必ずしも期待通りには進まず、各国でラジカットを承認してもらうのが本筋で各国の患者がすぐに利用するのは難しいという結論だったが、会議の最中で議論が前向きになると私はオリヒメで拍手したり、頷いたりした。会議の参加者はそのたびに反応してくれ、旧知の同僚は私が会場にいるようだったと言ってくれた。
ロボティクスの役割とは、機械が人間を代替することではなく、失われた機能を補完し、その人を取り戻すことではないだろうか。オリヒメについて言えば、常に分身ロボットを頼りにするのではなく、実際に現場に行くことができる時には現場に行く意欲をかき立てる要素も持っているということである。ご自身の経験を基に、ロボティクスの本質的な役割について講演していただきました。

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シンポジウム7

7月30日(日)9:00~11:00

会場
第3会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 304
演題
「第2回パートナーシンポジウム」
演者
オーガナイザー
中西美那子(合同会社クオ・ライフ・ナカヤ リョウセイ堂薬局 代表社員)
奈良  健(株式会社サン薬局 在宅薬物治療支援部長)
座長
神山 綾香(有限会社ひかり薬局 取締役)
奈良  健(株式会社サン薬局 在宅薬物治療支援部長)
講師
赤羽根秀宜(中外合同法律事務所 弁護士)
演者
大橋 淑起(ファルメディコ株式会社 ハザマ薬局)
崎山 勝弘(ファルメディコ株式会社 ハザマ薬局 加美南店 パートナー)
野田  恵(さかい薬局グループ 株式会社薬心堂 さかい調剤薬局 事務主任)
椎野 祐介(有限会社グット・クルー 専務取締役)

赤羽根 秀宜(中外合同法律事務所 弁護士)
「法律からみる薬剤師とパートナー制度」

薬剤師には、今まで以上に専門的な業務が求められることが想定される。そのような中、今まで通りの体制で薬局業務を行っていくのでは、薬剤師の負担が増えてしまい、過重労働の問題等コンプライアンスの観点からも適切ではない。今後、パートナー活用の議論は避けては通れないだろう。もっとも、この議論を進める上では、法的な部分を抑えておく必要があることはいうまでもない。
パートナーの導入を進めるにあたっては、法律上薬剤師自身が行わなければならない業務、パートナーに任せることができる業務、グレーといわれる業務の検討が必要である。その中で、グレーといわれる業務は適法と解釈できる余地がどの程度あるか、どのような業務体制にすればいいのか等を分析し、リスクを検討の上で方針を決定すべきである。また、法的にはパートナーが行うことは可能であるとしても、医療安全等の観点からやはり薬剤師が行うべきという議論も不可欠である。本シンポジウムでは、以上の問題点を踏まえて、パートナーの活用における法的留意点について講演していただきました。
大橋 淑起(ファルメディコ株式会社 ハザマ薬局)
「薬剤師からみたパートナー制度の意義」

現在、我が国は超高齢化社会に突入し、医療形態は医療機関から在宅・介護施設へとシフトしています。そして、薬剤師の働き方も「対物業務」から「対人業務」へと大きな改革が求められています。従来の薬局内での薬中心の業務は減少していき、薬剤師は薬局の外へ飛び出し、チーム医療の一員として働くことが必要になっています。薬剤師の責任は、これまでとは比較にならないほど重くなり、同時に業務量も肥大化しつつあります。
パートナー制度の運用目的を、薬剤師の人件費抑制と結びつけるとうまくいきません。パートナー制度の最大の目的は、薬剤師を可能な限り対人業務に専念させることです。薬剤師の対人業務の継続は、将来的な薬剤師への社会的評価を高めることにも繋がります。
薬剤師からみたパートナー制度の意義、そして、薬剤師の対人業務の本質について、講演していただきました。
崎山 勝弘(ファルメディコ株式会社 ハザマ薬局 加美南店 パートナー)
パートナーとしてできること「~ハザマ薬局加美南店の取り組み~」

2014年に中途入社し、2015年に現在の店舗へ異動。現在、加美南店では薬剤師4名、パートナー8名が在籍をしています。加美南店では、有料老人ホーム3施設(計150名)、サービス付き高齢者向け住宅2施設(計50名)、特別養護老人ホーム2施設(計120名)、個人在宅6名と外来業務(1日平均15-25名)を担当している。
薬剤師が対物業務に追われるのではなく、対人業務においてパートナーが薬剤師と協働し「薬剤師にしかできないことをする」ためにこれまで取り組んできた。その中には、失敗することもあったが、ITを駆使しての見える化のシステム作り、業務の効率化、薬剤師・パートナー間の情報共有の中で何とか今形になってきています。実際に経験したパートナー制度を導入していく中での問題点やそれに対しての取り組み、今後の課題について講演していただきました。
野田 恵(さかい薬局グループ 株式会社薬心堂 さかい調剤薬局 事務主任)
「MP(わたし)にできる事 ~ONE for ALL ★ ALL for ONE~」

超高齢化社会の進行とともに、高齢者の受診動向は変化し、門前薬局である当薬局でも来局風景が変化してきている。代理で薬を受け取る患者さんが増え、支払いが上手くできなくなった方も散見される中、地域の包括的な支援を行う一助になればと2012年より在宅訪問を開始した。これまで外来業務のみだった業務フローに新たな在宅業務が加わり、様々な業務の効率化と改革に迫られることとなった。
非薬剤師の人員拡充とともに業務内容の見直しを行う中、ハザマメソッドと出会い、今もなお外来が中心となっている当薬局に落とし込み現在に至っている。今では“メディカルパートナー”としての仕事に大きなやりがいを感じている。“わたしにできることは限りがある”と考えていた、MP(わたし)にできること。MPが“おせっかいチーム”の一員としてどのように患者さんの支援に関わっているのか?当薬局の取り組みを紹介していただきました。
椎野 祐介(有限会社グット・クルー 専務取締役)
「在宅特化型調剤薬局における体制構築の考え方、および非薬剤師によるサポート体制方法」

高齢化社会に向けて期待される調剤薬局のあり方を捉えた上で、調剤薬局における薬剤師の役割・業務の変化を理解していく必要がある。その上で生じる調剤薬局の新たな業務量の変化に対して、非薬剤師がサポートする体制について独自のノウハウ、視点から分かりやすく発表。これからの調剤薬局に求められる役割に対応可能な運営体制作りが発表の中心でした。
自身が運営する在宅特化型調剤薬局における現実的な業務量の増加である「連絡・調整業務」において「ファーマシークラーク」が業務をサポートすることによる新しい体制の考え方。従来の調剤薬局からは考えられない新たな体制や、非薬剤師の調剤薬局において活躍できる仕組み化の重要性を講演していただきました。

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スポンサードシンポジウム

7月30日(日)9:00~11:00

会場
第4会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 311 + 312
演題
「在宅におけるがん治療 地域主導型 がん患者さんサポートに貢献する在宅薬剤師像とは。
~がん在宅薬物療法の進展には、在宅薬剤師はなくてはならない存在~」
演者
座長
狹間 研至(一般社団法人日本在宅薬学会 理事長)
演者
澤田 幸男(澤田肝臓・消化器内科クリニック院長)
吉岡 睦展(宝塚市立病院 薬剤部 主幹)
原田  努(昭和大学薬学部 薬剤情報学講座 薬剤学部門 准教授)
共催
沢井製薬株式会社

澤田 幸男(澤田肝臓・消化器内科クリニック院長)
「開業医から見た病診連携・がん地域連携パスと在宅薬剤師」

医療費抑制政策下での在宅医療推進は、必須事項であり、また患者さんが、住み慣れた自宅で家族と過ごしたいと思うのは自然な考えです。このような背景から、在宅医療が導入されていますが、簡単なケースでも様々な問題点・改善点があるのも事実です。当院は地域の1診療所ですので、基幹病院の宝塚市立病院を中心に病診連携を実践しており、現在のところ在宅がん治療を施行している患者さんはおりませんが、がん地域連携パスを行っている患者さんが14名程います。しかしながら、現状では在宅医療の場面において薬剤師が十分に活用されているとは言えません。薬局薬剤師と病院薬剤師の薬薬連携で、担当患者さんの正確な情報を共有することが重要で、それぞれの立場から、相互間の正確な情報を受けることが出来て初めて、患者さんへ指導し、適切な薬物治療を提供できます。がん化学療法の進歩・レジメンの標準化、副作用対策の進歩から患者さんのQOLを含めて、在宅・外来通院加療が一般的になってきており、理想的な在宅がん治療は、多種の医療職種間だけではなく、病院薬剤師と薬局薬剤師間でがんの種類と抗がん剤のレジメンの情報、検査データ、画像データなどを共有できれば、在宅がん治療が安全かつスムースに行えると考えます。薬剤師が在宅医療に関わることが、患者さんのQOLの向上に大きく寄与することついて講演していただきました。
吉岡 睦展(宝塚市立病院 薬剤部 主幹)
『がん診療地域連携パスと在宅薬剤師の役割「薬剤師が進めるがん地域連携パス」』

本邦のがん診療は、がん対策基本法に基づき、医療の質保証と安全確保を目的に医療機関同士が役割分担し支える体制として、がん地域連携パスの整備が進められている。兵庫県においても医師会、がん診療連携拠点病院等により構成される協議会で「5大がん+子宮体がん、前立腺がんの地域連携パス(県統一版)」が策定され、その普及が進められている。
宝塚市域の病院・薬局の全ての薬剤師が集う宝塚市薬剤師地域連携研究会では、外来がん化学療法における問題点の共有を行い、第一歩としてがん化学療法のレジメンや患者への説明書等の情報を薬局薬剤師が確認できるよう薬剤師会ホームページに掲載した。レジメンは病院間で未統一であるものの、投与計画や注意すべき副作用について概ね対応可能になった。本研究会で協議した結果、顔の見える関係ができ薬剤部への相談体制も整った。
今後、在宅におけるがん薬物治療は、連携によりがん患者の医療情報を共有して地域のチームで支える体制とネットワークを構築することが肝要であり、薬剤師の積極的な参加により質向上に繋げる必要があると、講演していただきました。
原田  努(昭和大学薬学部 薬剤情報学講座 薬剤学部門 准教授)
「服薬アドヒアランス向上のために薬剤師ができること ~最期まで自宅で暮らすことに貢献する~」

製薬企業で在宅医療の現場ニーズを調査していたことがある。患者の薬そのものに対するニーズは意外に少なく、数字で表せるほどの知見は得難かった。しかし、あえて1つ挙げるとすれば『自立』こそが、患者の最大のニーズであると感じられた。「自立して最期まで自宅で暮らすこと」が多くの患者および生活者の希望であり、それに異を唱える人は少ないであろう。
では、本人は希望しているのに、自宅で暮らせなくなる閾値はどこにあるのだろうか?家族をはじめ様々な職種が関わる問題ではあるが、これもあえて1つ挙げるとすれば『薬の管理ができなくなった時』を判断ポイントにする関係者が多い。高齢者はほぼ100%薬を飲んでいる。自分もしくは家族では服薬できない、服薬忘れが多くて症状が安定しない、1日に何度も服薬してふらふらになり転倒した、などといったイベントが引き金になる。すなわち、服薬アドヒアランスの向上こそ、薬剤師の在宅医療における役割ではないかと私は考えている。シンポジウムでは抗菌剤を中心に、薬物溶出に与える影響について講演していただきました。

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シンポジウム(公開)

7月30日(日)13:00~15:00

会場
第1会場:パシフィコ横浜会議センター 1F メインホール
演題
「ME-BYOで健康寿命を延ばすコツ!絶対に知っておいた方がいいコト」
演者
オーガナイザー
井手口直子(帝京平成大学薬学部 教授)
司会
町  亞聖(フリーアナウンサー)
演者
和田 秀樹(国際医療福祉大学大学院 特任教授)
市川喜久江(神奈川県 健康・未病担当局長)
宗像 恒次(宗像塾長/筑波大学名誉教授)

和田 秀樹(国際医療福祉大学大学院 特任教授)
「認知症を怖がらなくて済むには」

高齢化が進むわが国で、認知症は歳を取ったらなりたくない病気の代表のように恐れられている。しかしながら、それは認知症の実情を知らないための誤解の要素が大きい。
一つには、認知症はある種の老化現象であり、誰にも起こりえるものだということだ。実際、私が日本では数少ない高齢者専門の総合病院に勤務し、身寄りのない老人ホームの患者さんが多かったこともあり、亡くなった方の約半数が解剖された際の所見の検討会に出席した経験では、85歳を過ぎて、脳にアルツハイマー型の変性のなかった人はいなかった。症状が出る出ないは別として、誰にでも脳の老化、変性は起こるのである。
ということで考えると、認知症は確かに脳の機能低下を引き起こすが、老化現象の側面も大きいので、物忘れや知能低下は必ず起こるが、徘徊や異常行動を呈して人に迷惑をかける、恥ずかしいタイプのものはまれである。そういう点では、人が考えるほど怖い、なりたくない病気ではない。
もう一つ、知ってほしいのは誰もがなる老化の一種であっても、ある程度進行が遅らせられるということである。シンポジウムでは、認知症の実情と実用的な認知症の予防や対応について講演していただきました。
市川 喜久江(神奈川県 健康・未病担当局長)
「神奈川県の未病改善の取組み-健康寿命の延伸を目指して」

高度成長期に人口が急激に増加した神奈川県では、今後、全国と比べても速いスピードで高齢化が進むと見込まれています。
急激な人口構造の変化は、私たちの社会を根底から変えてしまいます。超高齢社会では、年金や医療など現在の社会システムを続けていくことは、困難な状況になっていきます。
そこで神奈川県では、こうした状況を乗り越え、持続可能な社会システムに転換していくために、「最先端医療・最新技術の追求」と「未病の改善」という2つのアプローチを融合し、超高齢社会に対応した新しい社会システムを創り出すための政策「ヘルスケア・ニューフロンティア」を推進しています。
神奈川県では、「食」「運動」「社会参加」の3つのアプローチから生活習慣の改善を促す「かながわ未病改善宣言」を発表し、県民の皆様に、普段の生活の中で「未病の改善」を実践していただくため、企業や団体、アカデミア等と連携して様々な取組みを進めています。
シンポジウムでは「未病の改善」について神奈川県の取組みを紹介していただきました。
宗像 恒次(宗像塾長/筑波大学名誉教授)
「健康寿命-自分の個性を活かす生き方と運命愛」

年齢が経つと、私たちの人生の目的は「満足死」であることがよくわかるようになる。すなわち、自分たちにはいろいろトラブルや問題があったが、振り返えってみるといい人生だったな、楽しかったなと、満足して死ねることを目的として生きているということである。この満足死は、表面取り繕い型の生き方では成功しない。だから、あるがままの個性をいき自己満足するために、無意識であっても自己成長心からメンタル不調、病気、争い、失敗などというストレス問題を起こし、どうしたらいいのかを学ぼうとするところがある。人生にいろいろ問題がおきても、その事実を受け入れ、前向きに取り組むことさえできれば、必ず学びが生じ、それは人生をより満足に導く。
個性がつよいことで同様に苦しむものの間で、例えば救世主型と依存型など、無意識的にお互い補完しあう相手と運命的な愛で助け合おうとするかもしれない。親子、恋人、夫婦、仲間、師弟、仕事のパートナー、ヘルパーヘルピーなどの役割で、いろいろな形をとって相手の表情から固有の感情をかぎとって無意識的に連帯する。真に愛のある応援者と連帯できれば、穏やかさ、明るさ、寛容さ、勇気、許しなどストレス許容力というレジリエンスが高められ、前向きに取り組むことができ、問題からも学びをえて人生をより満足に導くことができ、慢性ストレスが消失させられ、慢性炎症の消炎、免疫や遺伝子の防衛力から健康回復・健康増進がもたらされる。
しかし真の愛となるには、依存型-共依存型という自己満足の似非愛を克服しなくてはならない。もし父系、母系から由来する「身体違和感」という無意識があると、周りを信頼できない関係と知覚し、思い込みや妄想から慢性ストレスが生まれやすい。シンポジウムでは演者が開発したSAT療法(さまざまなパートナーとの「似非愛」の関係を「運命愛」の関係に促す)について講演していただきました。

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ランチョンセミナー

ランチョンセミナー6

7月30日(日)11:30~12:30

会場
第1会場:パシフィコ横浜会議センター 1F メインホール
演題
「初心者~中級者向け チームで関わろう!在宅褥瘡の極意~理論編~」
演者
座長
荒木 玲子(有限会社柴崎薬局 ファーマシーはとり薬局)
演者
古田 勝経(コバヤシヘルスケアシステム 医療法人愛生館 小林記念病院 褥瘡ケアセンター長)
共催
アルケア株式会社
玉川衛材株式会社
日本褥瘡学会

古田 勝経(コバヤシヘルスケアシステム 医療法人愛生館 小林記念病院 褥瘡ケアセンター長)
「初心者~中級者向け チームで関わろう!在宅褥瘡の極意~理論編~」

在宅医療にかかわる医師の最大の懸案事項は“褥瘡”である。長年“床ずれ”と呼ばれ、疾患として認識されてこなかった経緯がある。それは一旦発症すれば治らないという負のイメージがそうさせてきた。褥瘡と向かい合うことが治らない褥瘡を治せることに気付いたのは薬剤師であり、FurutaMethodsである。褥瘡治療に使用した薬剤が創からはみ出し、薬が効く状態でないことに着目した薬剤師の視点は、それまでの褥瘡治療を一変させた。創内の薬剤は滞留して効果が得られるが、褥瘡では発症要因となる持続性圧迫やずれなどの外力が治癒を阻害する。それは外力によって創が変形・移動するために薬剤滞留障害を起こす。そのために薬の効果が現れない。その外力が創に特徴的な病態をつくるため、それを観察することでどのようなことが起こっているのかが把握できる。
Furuta Methodsによる褥瘡治療は多職種連携や協働を推し進め、褥瘡の治癒期間を短縮し、コストを削減できることがすでに明らかになっており、日本褥瘡学会ガイドラインにも掲載されている。また海外の医療者からも評価されている今、注目の薬物治療である。褥瘡治療への介入は医師や看護師との協働・連携を格段に向上させる。薬剤師の今後の業務展開に希望の光をさす分野であり、活躍の場が増える可能性を秘めている。セミナーではFuruta Methodsの全容について講演していただきました。

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ランチョンセミナー7

7月30日(日)11:30~12:30

会場
第2会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 303
演題
「在宅療養空間の安定に向けた薬剤師による認知症者対応」
演者
座長
武藤 正樹(国際医療福祉大学大学院 教授)
演者
高瀬 義昌(医療法人社団至髙会たかせクリニック 理事長)
共催
第一三共エスファ株式会社

高瀬 義昌(医療法人社団至髙会たかせクリニック 理事長)
「在宅療養空間の安定に向けた薬剤師による認知症者対応」

高齢になるほど有病率の上がる代表的な疾患に認知症がある。厚生労働省の推計によると、認知症を罹患している方は現在500万人を超え、さらに2025年には700万人に達するとされている。認知症になると、普段通っている場所が急に分からなくなったり、お金等の計算ができなくなることが多く、公共交通機関を使って病院へ行き、受診後に会計を済ませ帰宅するといった「通院の一連の流れ」が困難になりやすく、在宅療養へとシフトしていくことになる。こうした状況の中、厚生労働省により認知症対策の国家戦略である認知症5か年計画「オレンジプラン・新オレンジプラン」が策定・改定されるなど、官民一体となった認知症対策が実施されている。新オレンジプランでは、薬剤師・歯科医師の認知症対応力向上といった項目も初めて盛り込まれ「多職種協働」の重要性が示される形となった。
月2回の定期訪問を基本とする在宅医師だけでは経過が十分に把握できないため、薬剤師・訪問看護師・介護スタッフ・家族等と協働し、「チーム・モニタリング」を目指すことが重要である。また、在宅医療開始時に内服を確認した際、多剤併用に陥っている高齢者が多く見られるため、薬剤師の専門的知見の活用を通じて薬剤の適正化を目指すことも、在宅療養空間の安定に必要不可欠である。
セミナーでは、在宅療養における薬剤師に求められる役割の大きさについて、講演していただきました。

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ランチョンセミナー8

7月30日(日)11:30~12:30

会場
第3会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 304
演題
「オピオイド誘発性便秘治療のup to date」
演者
座長
金子  健(慶應義塾大学病院 薬剤部/緩和ケアセンター)
演者
鈴木  勉(学校法人星薬科大学 特任教授)
共催
塩野義製薬株式会社

鈴木 勉(学校法人星薬科大学 特任教授)
「オピオイド誘発性便秘治療のup to date」

オピオイド鎮痛薬はがん疼痛治療や慢性疼痛の治療に広く使用されているが、便秘、悪心・嘔吐、眠気の3大副作用が現れる。その頻度は便秘が約80%、悪心・嘔吐が約60%、眠気が約20%である。3大副作用の中でも、最も頻発するのがオピオイド誘発便秘(OIC)で、その対応に難渋するケースも多々ある。従来、オピオイド鎮痛薬は極低用量から消化管の蠕動運動を抑制し、さらに腸内容物から水分の吸収を促進する。したがって、オピオイド鎮痛薬の投与によって、腸内容物は硬くなり、蠕動運動が抑制されるため、腸内に長時間停滞し、便秘を引き起こす。この対策として、蠕動運動を促す大腸刺激性下剤(プルセニド、ラキソベロンなど)、硬くなった便を柔らかくする浸透圧性下剤(酸化マグネシウム)が主に用いられている。しかし、オピオイド鎮痛薬の種類、用量などを考慮して適切な下剤の用量と投与回数を決定することは容易ではない。演者は2002年に副作用防止薬の開発を塩野義製薬に提案し、東レ株式会社の協力も得ながら候補物質を探索した。そして、2008年に塩野義製薬が新たに合成した非選択的オピオイド受容体拮抗薬ナルデメジンを臨床試験に進めることを決定した。この臨床試験も終了し、米国と日本で2016年3月に承認申請を行い、2017年3月に承認された。
セミナーでは、ナルデメジンはオピオイド鎮痛薬により誘発される便秘を著明に改善し、鎮痛作用には影響を与えず、且つ退薬症候も誘発することがない優れたオピオイド鎮痛薬誘発便秘改善薬であると、講演していただきました。

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ランチョンセミナー9

7月30日(日)11:30~12:30

会場
第4会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 311 + 312
演題
「超高齢化社会における糖尿病医療を考える」
演者
座長
狹間 研至(一般社団法人 日本在宅薬学会 理事長)
演者
武田  純(岐阜大学大学院医学系研究科内分泌代謝病態学 教授)
共催
MSD株式会社

武田 純(岐阜大学大学院医学系研究科内分泌代謝病態学 教授)
「超高齢化社会における糖尿病医療を考える」

高齢者糖尿病では、長い罹病期間のために進行した病態は生活の質の低下や自立阻害の背景となる。治療では併存疾患が多いことからポリファーマシーがしばしば見られる。
低血糖防止の観点からも改善が必要であり、病態や日常生活を考えた薬剤選択が求められる。
一方、生活嗜好、身体機能、フレイル状態も多様であることから、治療目標はテイラーメイド的にならざるを得ない。
本講演では多くの課題を考えて高齢者診療の工夫点、在宅に取り組まれている薬局薬剤師の先生方への期待、そして最近使用可能になった週1回DPP-4阻害薬の活用法について、講演していただきました。

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ランチョンセミナー10

7月30日(日)11:30~12:30

会場
第5会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 313 + 314
演題
「在宅医療新時代の感染症対策」
演者
座長
井手口直子(帝京平成大学薬学部 教授)
演者
菊池  賢(東京女子医科大学 総合感染症・感染制御部 感染症科 教授)
共催
ムンディファーマ株式会社

菊池 賢(東京女子医科大学 総合感染症・感染制御部 感染症科 教授)
「在宅医療新時代の感染症対策」

我が国は有史以来経験したことのない、未曾有の高齢化社会に突入している。いわゆる2025年問題で指摘されているように、10年後の高齢者人口は3500万人、人口比の30%に、2060年には75歳以上の人口の割合も27%に達する。勤労世代への医療負担はふくらみ、国は急性期医療から慢性期医療へ、介護施設から在宅医療へと、高齢者医療をシフトさせてきた。しかし、ご存知のように、賃金の安さ、厳しい労働環境などから、高齢者施設の担い手は不足しており、2030年には病院や施設ではなく、自宅等で亡くなるいわゆる「看取り難民」は47万人に達すると想定されている、また、在宅高齢者が高齢者を在宅でみるいわゆる老老介護も深刻な問題となっている。演者は1997年、MRSA保菌者の高齢者施設への入所拒否がきっかけで始まった「厚生省 高齢者の療養施設における院内感染防止対策のあり方に関する研究事業」に参加して以来、高齢者医療の現場での感染症の問題に対応してきた。在宅医療サポートを支える医師、看護師、薬剤師、ヘルパーなどと感染症に関してどのように連携を取れば最適か、講演していただきました。

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ワークショップ

ワークショップ3

7月30日(日)13:00~15:00

会場
第2会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 303
演題
「初心者~中級者向け チームで関わろう!在宅褥瘡の極意~実践編~」
演者
オーガナイザー
田崎恵玲奈(さかい薬局グループ 株式会社薬心堂 統括本部長)
座長
荒木 玲子(有限会社柴崎薬局 ファーマシーはとり薬局)
演者
古田 勝経(コバヤシヘルスケアシステム 医療法人愛生館 小林記念病院 褥瘡ケアセンター長)
ファシリテーター
飯田 純一(済生会横浜市南部病院)
飯塚 雄次(帝京大学ちば総合医療センター)
野田 康弘(金城学院大学)
荒木 玲子(有限会社柴崎薬局 ファーマシーはとり薬局)
小黒佳代子(株式会社ファーマ・プラス 専務取締役)
名倉 弘哲(岡山大学大学院医歯薬学研究科 救急薬学分野 教授)
長谷川雅子(グリーンライフ薬局)
共催
日本褥瘡学会

古田 勝経(コバヤシヘルスケアシステム 医療法人愛生館 小林記念病院 褥瘡ケアセンター長)
「初心者~中級者向け
チームで関わろう!在宅褥瘡の極意~実践編~」

いよいよ本格的な超高齢社会が到来する。厚生労働省は国策として在宅医療の推進を目指している。在宅医療にかかわる医師が最大の懸案事項とされる難題は“褥瘡”である。一旦発症すれば治らないという負のイメージはあるが、外用剤を効かせる視点で治らない褥瘡が治ることに気付いたのは薬剤師である。褥瘡治療に使用した薬剤が圧迫やずれの外力で創からはみ出し、薬が効く状態でないことに注目した薬剤師の視点は、それまでの褥瘡治療を一変させた。創内の薬剤は滞留して効果が得られるが、褥瘡では発症要因となる外力が創を変形・移動させ、薬剤滞留障害を起こすために薬の効果が現れない。その外力が創に特徴的な病態をつくるため、それを観察することで難治化要因が把握できる。それらの防止策を学ぶ。また、褥瘡の改善は湿潤環境が基盤になると言われている。
薬剤師が多職種連携や協働を褥瘡分野で介入することは、褥瘡の治癒期間を短縮し、コストを削減できることがすでに明らかになっている。薬剤師が褥瘡治療へ介入することは、医師や看護師からの評価を飛躍的に高め、コミュニケーションツールにもなる。現に、褥瘡に強い薬剤師は医師や看護師から頼りにされることがそれを物語っている。褥瘡への介入は他の疾患へも提言しやすい環境をつくる突破口になりうる。今回のワークショップではそれらの薬剤師のノウハウを実体験できる、貴重な機会をつくって頂きました。

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ワークショップ4

7月30日(日)13:00~15:00

会場
第3会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 304
演題
「がん療養者への関わり ~薬学的プロブレムの立案と介入、その後の経過の確認~」
演者
オーガナイザー
手嶋 無限(アイビー薬局 副社長/長崎大学薬学部)
オーガナイザー兼座長
井手 良太(株式会社エム・エス経営企画サンヨー薬局グループ)
演者
佐藤由美子(名古屋市立東部医療センター薬剤科副部長)
手嶋 無限(アイビー薬局 副社長/長崎大学薬学部)
ファシリテーター
吉田 幹宜(国立国際医療研究センター病院 薬剤部)
工藤 浩史(国立病院機構 東京医療センター 薬剤部)
田中 康裕(社会医療法人社団慈生会 等潤病院 薬剤科)
中澤 寛仁(自治医科大学附属病院 薬剤部)
長沼 未加(クオール株式会社 クオールアカデミー・教育研修部)
下村 直樹(日本調剤柏の葉公園薬局)
和田  敦(神戸低侵襲がん医療センター 薬剤部)
村上 明男(国立病院機構 西新潟中央病院 薬剤部)
脇本 麻美(国立国際医療研究センター病院 薬剤部)
猪子 幸生(株式会社メディカル一光 第一事業部長)
江口真理子(株式会社大賀薬局 調剤事業部 野芥調剤店)
勝野 純子(合同会社ファルマプラン勝野 りんご薬局立花店 管理薬剤師)
角間 英子(カドマ南薬局 管理薬剤師)
菊池 幸助(日出調剤薬局 管理薬剤師)
鈴木 勝宏(日本薬科大学 臨床薬学教育センター 教授)
武田 和宏(株式会社新医療総研 こぐま薬局 管理薬剤師)
田中 里佳(株式会社阪神調剤薬局 兵庫第4ブロック ブロック長)
中山  邦(シーエスグループ 代表取締役社長)
共催
日本臨床腫瘍薬学会

佐藤 由美子(名古屋市立東部医療センター薬剤科副部長)
がん薬物療法に関する薬学的管理のポイント

がん化学療法、特に経口抗がん薬を含む外来化学療法では在宅療養が中心となるため、病院と保険薬局が連携し、治療の有効性と安全性を担保するために適切に関与することが必要である。しかしながら、保険薬局での告知の有無や病名、治療レジメンの内容など服薬指導時に必要な情報の不足が指摘されており、積極的な指導や治療の安全性担保が行いづらい場合も少なくない。本セッションでは胃がんの模擬症例を通じて、がん治療の全体像と薬物療法の位置付け、抗がん剤の副作用管理と生活上の注意点を含めた薬学的管理のポイントを把握する。具体的には、胃がんの疫学と診断、胃がん治療ガイドラインよりステージ分類に基づいた治療アルゴリズムおよび化学療法レジメンのエビデンスを紐解き、がん療養者を支える上で、その薬物療法が適切かどうかの評価方法を学ぶ。本ワークショップでは、在宅療養におけるがんチーム医療の実践を目指し、よりがん療養者に寄り添った関わりを体得すると同時に、薬薬連携を通じた地域におけるがんチーム医療の実践をしていただきました。
手嶋 無限(アイビー薬局 副社長/長崎大学薬学部)
認認介護の進行胃がん事例に関する薬学的評価と介入、その後の経過確認について

今回のワークショップでは、下記の事例を用いて、
・他職種や地域との連携による認認介護における服薬管理
・服薬管理のポイントの共有と自宅での見守り強化
・薬薬連携・診療情報連携による病状管理のポイント
以上3つのポイントについて、参加者とともに検討していただきました。
「事例(一部抜粋)」
本事例は、外来通院と在宅訪問診療の併診を行っている進行胃がん症例である。X年12月、自宅にて血便があり、A医院内科(A医師)を受診し消化管出血を確認し、B病院内科(B医師)を紹介受診となる。翌日、上部消化管内視鏡にて胃噴門部に3型胃がん(高分化腺癌)を認めたが、手術希望なくX+1年2月より経口抗がん剤TS-1にて抗がん剤による化学療法が開始し、X+1年11月まで投与となる。胃がんはX+2年1月、CTにて最終評価が行われ、進行や転移の出現なく安定しているものと判断された。X+1年11月、起立後の腰痛あり、同月のMRIでL3圧迫骨折の診断となり、C医院整形外科に通院となる。X+2年に入り、意欲低下や感情変化、下着で室内をウロウロするなどの行動変化を認め、症状の進行により服薬アドヒアランスの著しい低下を認めるなど、認知症の進行により緩和目的での抗がん剤による化学療法は休止する方針となった。認知症については、D医院心療内科(D医師)のフォローがあり、障害高齢者の生活自立度はA1、認知症高齢者の日常生活自立度はⅢaと評価された。胃がんは根治不能で、今後は月単位での進行、経口摂取困難となるなどがん関連症状が出現してくる可能性が予測されている。

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ワークショップ5

7月30日(日)13:00~15:00

会場
第4会場:パシフィコ横浜会議センター 3F 311+312
演題
『初心者のための在宅入門
~「どうしよう」から「もう大丈夫」へ~』
演者
オーガナイザー兼座長
松浦 憲司(日本メディカルシステム株式会社 太陽堂調剤薬局 管理薬剤師)
佐藤  晃(株式会社ハーツ 珊瑚薬局佐原店 管理薬剤師)
ファシリテーター
高田 泰江(メディスンショップ はまなす薬局 管理薬剤師)
川添 哲嗣(医療法人つくし会 南国病院 薬剤部 部長)

松浦 憲司(日本メディカルシステム株式会社 太陽堂調剤薬局 管理薬剤師)
佐藤  晃(株式会社ハーツ 珊瑚薬局佐原店 管理薬剤師)
高田 泰江(メディスンショップ はまなす薬局 管理薬剤師)
川添 哲嗣(医療法人つくし会 南国病院 薬剤部 部長)
『初心者のための在宅入門 ~「どうしよう」から「もう大丈夫」へ~』」

「在宅訪問お願いします」「お薬の配達してもらえますか?」と、電話を受けた時、まず最初に何を確認して在宅訪問をはじめたらいいでしょうか?
「先輩の後を引き継いで在宅には行っているけど・・・、はじめからはやったことが無い」と言う方も多いでしょう。もちろん一件もやったことの無い方は、不安がいっぱいだと思います。
学術的、薬学的なことは別のセミナーに出てもらうとして、このワークショップは、基礎の基礎を行っていきたいと思います。
頭では分かっていても始められないのは、基礎がガタついているからです。
医療保険、介護保険。同じようで異なるのは、どの点なんだろう。
タダの薬の配達で終わってしまっては、薬剤師の在宅業務のあり方が問われてしまいます。求めに応じてやるべき事をやって、きちんと正しい請求ができるようになりましょう。
本ワークショップでは、介護認定までの流れについても理解し、要介護認定申請者の早期発見、早期対応への意識を高め、参加者の皆様が一人でも多くの患者さんの在宅支援を始められるようになる一助となるようにと、講演していただきました。

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