ごあいさつ

第18回日本在宅薬学会学術大会開催にあたって

謹啓

 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。また平素より本学会の活動について格別のご高配を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 さてこの度、2025年7月20日(日)、21日(月・祝)の2日間、東京ビッグサイトにて第18回日本在宅薬学会学術大会を開催することとなりました。

 第18回大会は「極めろ!薬局3.0~エビデンスの共有と発信~」をメインテーマといたしました。来年2025年は団塊の世代が75歳以上になり、国民の4人に1人が後期高齢者という超高齢化社会を迎えることから、地域包括ケアシステム構築の目途の年とされています。そして、雇用、医療、福祉といった日本経済や社会の広い領域に深刻な影響を及ぼすことが予想されることから(いわゆる、「2025年問題」)、薬局の在り方もこれまでの調剤業務中心の薬局(「薬局2.0」)から、地域住民が住み慣れた地域で自立した生活を続けることができるよう、地域包括ケアシステムの一翼を担う存在(「薬局3.0」)への変革が求められています。中でも医療者・介護者が連携・協働して患者を見守る在宅医療は、薬局・薬剤師にとっても重要な位置を占め、多職種や多分野との連携・協働の中で、薬学的視点による実践をさらに進化させていくことが課題となっています。日本在宅薬学会では、これまでも在宅医療の最前線で活躍する薬剤師や薬局従事者が、各地域での取り組みを持ち寄り、現状と課題を議論することで「在宅薬学」の構築を目指してきました。第18回学術大会では、これまでの成果を参加いただいた方々で共有しさらに発展させることで、「在宅薬学」としてのエビデンスを創り上げ、在宅医療の現場へ広く発信していくことを目指しています。
 また一方で、少子化社会の中で将来の地域医療を担う人材の養成も急務と考えています。そのため、本大会では「在宅薬学」を切り口に、市民の方々に対しても地域での薬局・薬剤師の存在をアピールし、延いては若い世代に将来薬学を目指す動機付けとなるような企画も検討しております。

 2025年7月の第18回大会では、我々組織委員・運営委員一同で知恵を絞り、本学会ならではの先進的で魅力あるプログラムを企画してまいります。

是非、多くの先生方にご参加いただき、実りの多い情報交換、交流の場にしたいと祈念しております。
末筆ではございますが、皆様のますますのご発展をお祈り申し上げます。


謹白
2024年10月吉日

第18回日本在宅薬学会学術大会
大会長 鈴木 勝宏
(学校法人 都築学園 日本薬科大学 教授)

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