ごあいさつ

第13回日本在宅薬学会学術大会開催にあたって

大会会長 佐々木 均 大会会長 佐々木 均
長崎大学病院 教授・薬剤部長

 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 さてこの度、第13回日本在宅薬学会学術大会を、2020年7月18日(土)〜19日(日)の2日間、長崎ブリックホール(長崎市)を会場として開催させていただくことになりました。

 わが国は、経済が成熟したなかで、超高齢社会における医療体制の変革が求められています。現在では、治療よりもむしろ生活の質向上を目標として、地域の保険・医療・福祉が統合した包括的ケアが展開されています。地域が一つの総合病院や療養施設として機能するようなシームレスな医療者・介護者の連携が必要です。なかでも、地域住民が幸せな療養生活を送るため、医療者・介護者が連携して患者を見守る在宅医療は、年々その重要性を増しています。
 地域包括ケアシステムにおける薬剤師への期待は大きく、2019年改定される「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」や「薬剤師法」において、社会から求められる薬剤師の役割が明確に示されます。薬剤師は医療・保健・介護・福祉の多職種や多分野との連携・協働の中で薬学的視点による実践が求められています。
 日本在宅薬学会は、地域包括ケアや在宅医療で重要な役割を果たす薬剤師が多数参加し、情報発信や情報共有を行う重要な学会です。今回はメインテーマを『薬剤師進化で加速する「在宅薬学」:地域包括ケアの最前線』とし、最前線で活躍する薬剤師や医療チームの現状と課題を議論し、地域包括ケアの未来を俯瞰する機会と位置付けました。公募シンポジウムをはじめ、地域包括ケアや在宅医療で活躍する講師を全国各地からお招きし、魅力あるプログラムになるよう鋭意準備を進めております。
 本大会は、初めて本州を出て九州の長崎で開催されます。長崎の出島は、鎖国時代、西洋文化・西洋医学を知る唯一の場所でした。出島医師であったシーボルトが市民に西洋医学による診療を行い、薬剤師ビュルガーが調剤を行った医薬分業発祥の地でもあります。シーボルトの後、モーニッケ、ファン・デン・ブルックを継いだポンペは、系統的な医学教育を初めて日本人に行い、日本初の西洋式近代病院「小島養生所」で臨床実習を行いました。長崎は医学・薬学にとって特別な地です。また、軍艦島をはじめとする産業革命世界遺産や、潜伏キリシタン関連世界遺産の教会群を持つ風光明美な観光都市でもあります。新鮮な魚を用いた和食や中華料理、西洋料理や卓袱(しっぽく)料理など、美味しい料理も満載です。懇親会では長崎独特の料理でのおもてなしをご準備しております。

 150年前、長崎は西洋文化の窓口として、全国から多くの知識人が集い、熱い議論が交わされました。それが明治維新に繋がります。ぜひ、全国から多くの方々に集まっていただき熱気ある議論をお願いいたします。日本、中華、西洋のいろいろな文化を「ちゃんぽん」(融合)した「和華蘭」(わからん)文化もご堪能いただければ幸いです。
 多くの皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます。

              第13回日本在宅薬学会学術大会
              大会長 佐々木 均 (長崎大学病院 教授・薬剤部長)

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