学術大会2日目の様子

学術大会2日目となる本日はモーニングセミナーの開催がありました。
早朝より多くの皆様にご参加いただき、皆様の関心の深さを感じる印象的な講演となりました。
シンポジウム・共催セミナー、著名な先生方に大きな力をいただく講演となりました。

シンポジウム

シンポジウム5

7月18日(月・祝)9:00~11:00

会場
会議室1003
演題
「在宅医療とポリファーマシー」
演者
オーガナイザー兼座長
平井みどり(神戸大学医学部附属病院 教授 薬剤部長)
座長
秋下雅弘(東京大学大学医学部附属病院 老年病科 教授)
シンポジスト
秋下雅弘(東京大学大学医学部附属病院 老年病科 教授)
安井 浩(株式会社玉屋利兵衛 やまのべ駅前調剤薬局)
木村丈司(神戸大学医学部附属病院 薬剤部)
藤田 愛(医療法人社団慈恵会 北須磨訪問看護・リハビリセンター)
吉岡睦展(宝塚市立病院 薬剤部)

秋下雅弘(東京大学医学部附属病院 老年病科)
『在宅医療とポリファーマシー:基調講演』

ポリファーマシー対策の要は、かかりつけ医とかかりつけ薬剤師、およびその連携による処方の一元管理と簡便化である。従って、在宅医療に移行する際が介入の最もよいチャンスである。先般刊行された「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(日本老年医学会発行)では、「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」で削減候補薬を示しつつ、在宅医療および薬剤師の役割について系統的レビューに基づくエビデンスと推奨をまとめているので参照されたい。最近の生活習慣病ガイドラインは、身心機能などの低下したフレイルな高齢者あるいは認知症の高齢者では管理を緩めにすることを推奨しており、やはりポリファーマシー対策に利用できる。
以上の点を概説していただき、在宅医療の現場でのポリファーマシー対策について講演していただきました。
安井 浩(株式会社玉屋利兵衛 やまのべ駅前調剤薬局)
『薬局におけるポリファーマシー対応』

あくまでも、ポリファーマシーにおいては、単純に様々な有害事象が起こるリスクが高まること、実際に有害事象が起きている場合があること、患者の治療上において無くても差支えない薬剤が投与されている場合もあること等の問題に対して、「出来るだけ必要な薬を最小限に」という意識を持ち、患者とその家族の意思を尊重した上で、状況にあわせて対応を行うことが重要だと考えている。今回は、実際の外来処方において、ポリファーマシーの患者において有害事象を発見し処方提案により改善に至った症例や、アドヒアランス低下を改善した症例など、保険薬局の現場における取り組み方について講演していただきました。
木村丈司(神戸大学医学部附属病院 薬剤部)
『薬局におけるポリファーマシー対応』

ポリファーマシーの定義の一つである潜在的に不適切な処方(Potentially inappropriate medications:PIMs)のスクリーニングツールとして、海外ではbeers criteria や、screening tool of older persons’potentially inappropriateprescription/screening tool to alert doctors to right treatment criteria(STOPP/START criteria)が活用され、その有用性が報告されている。一方本邦において、これらのツールを使用した介入の報告は限られており、その有用性の検証は不十分であった。そこで神戸大学医学部附属病院では、STOPP criteriaを用いたポリファーマシーに対する取り組みを2014 年6 月から開始した。
本シンポジウムでは、神戸大学医学部附属病院の取り組みを報告すると共に、薬剤師によるポリファーマシーへの介入の効果と今後の課題について講演していただきました。
藤田 愛(医療法人社団慈恵会 北須磨訪問看護・リハビリセンター)
『看護師の視点から見たポリファーマシー』

今回、80歳代の認知症、末期がん、心不全の一人暮らしの方の経過と訪問看護の実際についてご紹介する。そこには、①医療ニーズに対するケアマネジャーの支援の限界、②複数にまたがる疾患別の医療機関の受診により、統合して診療する主治医が不在、③状態に合わなくなっている10種類の内服など、複合的な問題が存在していた。今後、増えるであろう同様なケースに対して、誰が、いつ、何ができるかについて講演していただきました。
吉岡睦展(宝塚市立病院 薬剤部)、
馬渕英一朗(宝塚市立病院 地域医療連携部)
『地域包括ケアにおけるポリファーマシー対策』

当院では、地域医療支援病院に承認された2013年より地域医療連携部に薬剤師を配置し、病院薬剤師が地域医療機関とのネットワークを活かして、入院を契機に必要に応じた薬剤整理の提案を積極的に行い、副作用回避や医療費削減等の観点から転院調整を含む退院支援に貢献してきた(治療96 :177 8-1781, 2014)。さらに宝塚市における医療・介護・福祉のシームレス化と対応の標準化を目指す「宝塚市7 病院地域連携連絡会」(行政関与)にも積極的に参加して承認・周知を促し、2016年度から薬剤総合評価調整加算が新設されたこともあって、宝塚市内の病院が同じ形式の退院時薬剤情報提供書で連携が図れるようになった、という宝塚市立病院の取り組みの経緯について講演していただきました。

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シンポジウム6

7月18日(月・祝)9:00~11:00

会場
会議室1001+1002
演題
「病院薬剤師からみた薬薬連携 ~薬薬連携の展開について在宅薬剤師と共に考える~」
演者
オーガナイザー兼座長
岸本 真(霧島市立医師会医療センター 薬剤部 薬剤室長/姶良地区薬剤師会)
荒川隆之(五日市記念病院 臨床薬剤科)
シンポジスト
岸本 真(霧島市立医師会医療センター 薬剤部 薬剤室長/姶良地区薬剤師会)
荒川隆之(医療法人社団 清風会 五日市記念病院 臨床薬剤科)
手嶋無限(長崎大学薬学部/開生薬局)
中島美紀(有限会社キムラ薬局/別府市薬剤師会)
特別発言
西村元一(金沢赤十字病院 副院長)

岸本 真(霧島市立医師会医療センター 薬剤部/姶良地区薬剤師会)
『病院薬剤師という枠から地域の薬剤師としての発想の転換を目指して』

薬薬連携がスムーズに行えるかのポイントに「顔の見える関係」がある。地域住民から見た場合、薬剤師とはかかりつけ薬剤師、市民向けイベントや学校薬剤師などを行っている薬剤師が挙げられるが、病院薬剤師の関わりは決して多くない。地域医師会・歯科医師会との関わりも同様である。中小病院薬剤師は地域医療への関わりが重要であるため、地域の薬剤師活動のコアとなっている地域薬剤師会への関わりも必要となる。鹿児島県姶良地区の病院薬剤師の地域薬剤師会入会状況は、平成22年は25%であったが、「保険薬局薬剤師と病院薬剤師が共に学べる研修会」等の取り組みを進め、平成28年には37%となった。また研修会参加者の約半数が病院薬剤師であり、「顔が見える病院薬剤師」が徐々に増えてきており、Face to Faceで気楽に話ができる関係構築まで至れば、自然と地域における在宅医療の薬薬連携の土台ができあがると考える、と講演していただきました。
荒川隆之(医療法人社団 清風会 五日市記念病院)
『薬薬連携を目指した中小病院薬剤師の取り組みと課題』

病院薬剤師は、病院の中でチーム医療の一員として他の医療従事者と共に活動してきた経験を活かし、シームレスに在宅医療につなげる活動を行うことが必要と考える。保険薬局の薬剤師が訪問指導を行えるのならばその支援を行ったり、他の医療従事者に対する医療情報の提供や共有、地域における研修会の実施など行える活動は幅広い。このような中我々は、保険薬局薬剤師と病院薬剤師間での質疑応答事例の情報共有を目的としたWebシステム「薬剤師ノート」を構築し、現在800名以上の薬剤師が情報共有を行っている。外来患者に対するアプローチも必要である。昨今、処方箋に検査値などの情報を貼付する取り組みも散見されているが、当院では、患者情報をミニカルテとして患者に提供しており、MRIなどの画像情報の提供も行っている、と講演していただきました。
手嶋無限(長崎大学薬学部/開生薬局)
『「治し支える医療」実現に向けたこれからの薬薬連携とは』

超高齢社会の我が国の医療は、「治し支える医療」実現に向けて地域包括ケアシステム構築への様々な取組が行われている。病院完結型医療から地域完結型医療へシフトする中、急性期・回復期・慢性期での地域における医療機能の分化・連携の推進が図られている。
職種間および同職種の連携を推進していく上で、病院と地域の情報格差が無くなることは必須条件の一つとなるだろう。 薬剤師同士の連携を考える上で、ICTによる情報連携だけでなく、「病院・薬局・大学・行政」に所属するそれぞれの薬剤師同士がお互いの相互理解を深めていくことはすべての基盤となると感じている。超高齢社会の先にある多死社会に向かうにあたり、地域の中で機能する薬剤師は重要性が増し、地域における様々な活動を積み重ねていくことで、健康支援・疾病予防分野での地域の相談窓口として、新たな展開が生まれると考える、と講演していただきました。
中島美紀(有限会社キムラ薬局/別府市薬剤師会)
『少しずつ見えてきた薬薬連携~患者さんという糸で繋がって~』

薬薬連携を考えるにあたって「薬」を考えると病院の薬剤部は遠い存在になってしまう。しかし、「患者さん」を考えると薬剤部に電話したくなる。入院中患者さんの検査値のどこを見ていたのか?なにか工夫をしている?ベッドサイドでどんなお話をしたのか?医師や看護師と患者さんについてどんな話をしたのか?在宅だけでなく、外来においても知りたい情報である。カンファレンスに「薬剤師」がいたら…。「看護サマリー」のような「服薬指導サマリー」なるものがあれば…。この妄想を現実にするには薬局薬剤師としてできることをする必要がある。病院薬剤師と薬局薬剤師が共に勉強する場は増えている。受け皿としての薬局があるだけで私たちは安心して患者さんを帰せる。あるMSWさんから言われた言葉だ。そこに薬剤部があるだけで私たちは安心して投薬できる。身近な相談相手、パートナーとして同志としての薬剤師。同じ職業だからこそわかる意識を大事にしていけたらと考えている、と講演していただきました。

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シンポジウム7

7月18日(月・祝)9:00~11:00

会場
特別会議室
演題
「かかりつけ=コミュニティ!?モノからコト、そしてヒトへ。 自分たちがデザインする“かかりつけ機能”」
演者
オーガナイザー
井上龍介(総合メディカルグループ 株式会社タイコー堂薬局本店 専務取締役)
座長
石井健一(株式会社メディノベーションラボ 代表)
シンポジスト
巽 欣子(医療法人三谷ファミリークリニック)
筧 裕介(issue+design 代表)
吉田 憲(三菱商事株式会社 リテイル本部 食品リテイル部 CVSチーム)

巽 欣子(医療法人三谷ファミリークリニック)
『処方箋は「ちぐさのもり」!
~まち医者が地域を“ 応援する”って?~』

舞台は堺市のお世辞にも元気がいいとは言えない商店街。だんじり祭りがらみの強固なコミュニティがある一方、つながりなく孤立している人も多い。そんな人が「食欲ないねん」って受診されたら、さあ、どんな薬が必要なんだろうか?わたしなら、処方箋は「ちぐさのもり」。商店街に2年前、たった6 坪弱のコミュニティスペース:みんなの応援室「ちぐさのもり」を開設した。 臨床の中の実感。人が元気になるために必要な3つの要素は「居場所」「仲間」「誰かの役に立っている感」。薬を使わず人のチカラで人を元気にする場所、地域を元気にする取り組み・・このコミュニティのチカラは想像を遙かに超えていた。「ちぐさのもり」を通してみえるまちの未来と医療。これからの時代、医療は、従来の上から目線の一方的な医学的健康管理から、まちのひとたちが自分たちですこやかな暮らしを作っていく事を“応援する”へ変化せざるをえない気がしている、と講演していただきました。
筧 祐介(issue+design 代表)
『ソーシャルデザインで繋ぐ薬局の「かかりつけ機能」の可能性を探る』

ソーシャルデザインの実行においては、住民や顧客の声を丁寧に聞き、行動を観察し、抱える課題と新しい機会を発見することにまずエネルギーを注ぐ。そして、地域の未来を切り拓くアイディアを発想し、実現に向けた事業モデルを企画していく。そして、その企画に基づいて多くの住民を巻き込み、ともにプロジェクトを推進するためのコミュニティをつくり、適切な市場に届けるためのマーケティング、ブランディングのプランを練り上げる。大切なことは、地域の人々と共に考え、共に学び、一緒に走っていくことである。
本セッションでは、そんなソーシャルデザインの実践的なプロセスを学び、参加された皆様ご自身が地域を巻き込み、プロジェクトを動かし、地域の課題解決を実践する第一歩について講演していただきました。
吉田 憲(三菱商事株式会社 リテイル本部 食品リテイル部 CVSチーム)
『薬剤師さんの情熱を支えたい』

原籍の三菱商事からローソンに出向し、気が付けば足かけ10年以上、小売業の立場から保険薬局事業に関わってきた。
最初の取り組みは2003年、コンビニの便利立地と無休営業を活かした「かかりつけ薬局」作り。薬剤師さんと共に悪戦苦闘してモデル作りに励んだ結果、今は保険薬局チェーンを主パートナーに店舗の数を増やし始めている。
10年後の2013年、新たな取り組みとして、在宅、ジェネリック、保険外をテーマに再び直営のコンビニ薬局を開設。何とかこれからの保険薬局のあり方の一つの方向性を提示しようと奮闘している。在宅・施設調剤をお受けする上で、どのように安全性と効率性を高次元で両立させるか。食品や生活必需品と言った保険外商品・サービスをどのように組み合わせて提供することで、薬のみならずお客さまの健康的な生活を支援できるか。日々奮闘している薬剤師さんのエピソード、厳しい現実や、薬局と本部の機能分担をどのように行うかといった課題、将来の展望について講演していただきました。

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シンポジウム8

7月18日(月・祝)13:00~15:20

会場
会議室1003
演題
「認定薬剤師活動報告」
演者
オーガナイザー兼座長
松浦憲司(日本メディカルシステム株式会社 太陽堂調剤薬局 薬局長)
座長
大会会長狭間研至(一般社団法人 日本在宅薬学会 理事長)
基調講演
武藤正樹(国際医療福祉大学大学院)
シンポジスト
角間英子(カドマ南薬局/長野県薬剤師会理事)
平山智宏(スタイル薬局)
神山綾香(有限会社ひかり薬局本店)
谷口明展(日本調剤株式会社 香住薬局)

武藤正樹(国際医療福祉大学大学院)
『2025年へのカウントダウン
~薬剤師の新たな役割~』

団塊の世代700万人が後期高齢者になる2025年、日本は未曾有のスーパー高齢化列島になる。そのときへ向けて薬局、薬剤師もその役割は大きく変わる。まず薬局は地域包括ケアシステムの中に位置づけられる。そして24時間365日対応で在宅医療の実施を行い、さらに住民の健康サーポートを担うという在宅医療機関となるだろう。講演ではこうした在宅医療機関としての薬局で働く薬剤師に必要なスキルとその研修体制、その評価について考えて行きたい。これからの薬剤師は在宅医療分野における医師との共同薬物治療管理(CDTM)を目指すべきだ。在宅CDTM実現のための薬剤師特定行為研修を本学会から提案してはどうだろうか?と講演していただきました。
角間英子(カドマ南薬局/長野県薬剤師会理事)
『認定薬剤師 Before-After
~木曽地域から長野県へ~』

「認定」とは何だろうか?
教育とは、行動に価値ある変化を起こす過程であると言われるが、認定取得も行動に価値ある変化を起こすと考えられる。自分自身はもちろん、地域や薬剤師会、他の薬剤師に対しても、良い影響があるのではないだろうか。
在宅医療には、総合的な知識、技術、態度が必要であり、その都度必要なことを勉強してきたが、もっと自信を持って行いたい、力をつけたいと願っていたところ、日本在宅薬学会と出会った。そして、多くの同じ志を持つ先生方と、様々な勉強をさせていただく中で、認定を目指してみようと決意した。認定取得後、気持ちや仕事の上でどんな変化があったのかを講演していただきました。
平山智弘(スタイル薬局)
『旗を立てたらこうなった
~認定を受けて変わったこと~』

名刺に『在宅療養支援認定薬剤師』と入れてから不思議と多方面からお声掛けいただくことが多くなり、介護福祉士への講演会、町内会の敬老会や地域住民対象の健康講座などでお話する機会をいただくようになった。今まで自ら外へ働きかけていたものが、現在は自然と内へと情報が入ってくるような感覚だ。
私が認定を受けて本当に良かったと思えることは、この認定をいただくまでに受講してきた数々のセミナーでの学び、そしてそこで出逢えた素敵な方々との繋がりである。認定を受けることは決して目的ではない。日々の学びと業務の結果として認定をいただけたと思っている。まだまだ駆け出しの訪問薬剤師だが、認定の名に恥じないように地域の方々の在宅療養をしっかりと支援していきたいと思う、と講演していただきました。
神山綾香(有限会社ひかり薬局本店)
『薬剤師を活用してもらうための周知活動
〜配達屋と呼ばれないために〜』

薬剤師はその職能を発揮するためには自らその舞台を用意する必要性がある。便利な配達屋を続けていると、いつまでたってもその舞台を用意することができない。
では、どうしたら認めてもらえるのか。その手段の一つとして認定薬剤師取得がある。地域活動の一環で多職種と話す場はたくさんある。しかし、自己紹介だけではインパクトが少なく、もっと深く話しを聞いてもらうきっかけとして認定薬剤師取得者であることはアピールの一つになった。薬剤師がどんなことができて、在宅医療においてもっと相談できる相手であるということ、お薬のことを薬剤師に任せることで多職種が個々の職能を発揮できるということ。今までは、少ない人数にしか話せなかったことが、認定を持っていると言うことで話すきっかけになっている。
地域でもっと薬剤師を活用してもらえるよう、在宅療養支援認定薬剤師として精一杯活動していきたいと思う、と講演していただきました。
谷口明展(日本調剤株式会社 香住薬局)
『在宅療養支援認定薬剤師
~変わる地域の薬局薬剤師~』

日本在宅薬学会認定薬剤師制度は、超高齢社会の到来を迎え変貌する社会医療ニーズに対応するために薬剤師としての「知識」「技能」「態度」を修得して良質な医療を提供することを目的としている。
また認定薬剤師は、今後高齢化社会で要介護高齢者をささえることも重要なテーマとして位置付けている。
認定薬剤師は、適正な知識、態度、技能を習得して認知症など要介護者を支援していくことで調剤薬局であれば活躍の場が薬局内であったものが薬局外へ、そして地域へと広がり、薬剤師が地域を支える活動につながることができると考えている、と講演していただきました。

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ランチョンセミナー

ランチョンセミナー6

7月18日(月・祝)11:30~12:30

会場
会議室1003
演題
「地域包括ケアから考える在宅漢方」
演者
座長
大会会長狭間研至(一般社団法人 日本在宅薬学会 理事長)
講師
山口竜司(山口診療所 院長)
共催
株式会社ツムラ

山口竜司(山口診療所 院長)
『地域包括ケアから考える在宅漢方』

高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援を目的として、包括的な支援・サービスの提供体制が求められる中、「地域包括ケアシステム」の構築が急がれている。山積する課題解決の一つの方策として、今回、在宅漢方を提示する。在宅漢方とは、従来の在宅医療に漢方を加えることにより、生活を支えることが目的である。今までの西洋薬に、漢方薬を上手く組み合わせる方法により、QOLの向上を目指したいと考えている。在宅漢方により、がん・非がんに関わらず、最期まで口から食べることができた、家族との意思疎通もでき穏やかな最期を迎えていただけた、そういう今までの経験を通じて、地域包括ケアにおいて在宅漢方の出来ることがあると考えた。さらに加速する少子高齢化社会に備えて、様々な課題を受け止め、より良い地域包括ケアに対する一つの方向性として、これからの地域包括ケアにおける在宅漢方の役割について講演していただきました。

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ランチョンセミナー7

7月18日(月・祝)11:30~12:30

会場
会議室1001+1002
演題
「在宅緩和ケアと薬剤師」
演者
座長
岸 雄一(医療法人嘉健会 思温病院 薬剤部)
講師
長尾和宏(医療法人社団裕和会 長尾クリニック 院長)
共催
塩野義製薬株式会社

長尾和宏(医療法人社団裕和会 長尾クリニック 院長)
『在宅緩和ケアと薬剤師』

在宅医療の広がりとともに在宅における緩和ケアの充実が謳われている。緩和ケアとは4つの痛みへの対応である。肉体的、精神的、社会的、そしてスピリチュアルな痛みをトータルペインとして受け止めて緩和する技術が求められている。これまでは主に医師、訪問看護師が協働して緩和ケアにあたっていたが、今後、訪問薬剤師の参画が大きく期待されている。
在宅看取りは十分な緩和ケアがなされた結果にすぎず、決して目的ではない。人生の最終章の“物語”に是非とも薬剤師さんも寄り添って頂き、患者さんのトータルペインをしっかりキャッチして傾聴して心の痛みをも癒してほしい。
訪問薬剤師には在宅緩和ケアという視点からも、まだまだ活躍の余地がたくさんあると考える。本講演を機に失敗を恐れずに一歩でも前に踏み出して頂ければ幸いである、と講演していただきました。

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ランチョンセミナー8

7月18日(月・祝)11:30~12:30

会場
特別会議室
演題
「骨粗鬆症治療における服薬アドヒアランスの向上を目指して」
演者
座長
川久保孝(東京慈恵会医科大学附属病院 薬剤部 部長)
講師
沖本信和(沖本クリニック 院長)
共催
帝人ファーマ株式会社

沖本信和(沖本クリニック 院長)
『骨粗鬆症治療における服薬アドヒアランスの向上を目指して』

骨粗鬆症治療は、初発骨折に対する一次予防では運動、食事などの生活指導が基本である。しかし低骨密度症例や、既存骨折例での骨折二次予防においては早急な薬物治療の介入が必要であることが多い。実臨床の現場では、治療薬の選択が必要になる。私たちは骨代謝マーカーが薬剤選択の一助となり得るのではないかと考えている。骨粗鬆症患者では、骨吸収マーカー高値・骨形成マーカー基準値もしくは高値の、いわゆる骨吸収優位の高骨代謝回転を呈することが多いので、代謝回転から考えると多くの患者さんは骨吸収抑制剤が適応になると思われる。薬剤選択において骨代謝マーカーだけでなく、患者さんの希望、年齢、性、期待する薬効、エビデンス、骨粗鬆症の原因や重症度、服薬アドヒアランスが良いか?ということも選択基準の因子である。本講演では、投与間隔・投与経路・剤形等の異なる様々なビスホスホネート製剤の①選択方法、②アドヒアランス向上の工夫等について講演していただきました。

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ランチョンセミナー9

7月18日(月・祝)11:30~12:30

会場
会議室1202
演題
「地域包括ケアで薬剤師が期待されるもの ~皮膚疾患の薬物治療~」
演者
座長
岩崎英毅(株式会社阪神調剤薬局 取締役 事業運営本部長)
講師
孫 尚孝(株式会社ファーマシィ 医療連携部 部長)
共催
マルホ株式会社

孫 尚孝(株式会社ファーマシィ 医療連携部 部長)
『地域包括ケアで薬剤師が期待されるもの
~皮膚疾患の薬物治療~』

昨今、地域包括ケアにおいて単に「顔」が見えるだけではなく、信頼関係の「腹」、お互いの職能の「腕」まで見える連携の重要性が謳われるようになった。

地域包括ケアにおいて、医師、看護師、介護従事者そして地域住民が、薬をどのように認識し、どのような問題を抱え、そして何を薬剤師に期待するのか、実際の取組みや多職種からの声をふまえながら講演していただきました。

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ランチョンセミナー10

7月18日(月・祝)11:30~12:30

会場
会議室1009
演題
「フレイル・サルコぺニア・嚥下障害を見逃さない! ~在宅での療養支援~」
演者
座長
倉田なおみ(昭和大学 薬学部 社会健康薬学講座 地域医療薬学部門 教授)
講師
篠原久仁子(有限会社フローラ薬局 代表取締役)
小原道子(ウエルシア薬局株式会社 調剤在宅本部 在宅推進部長)
共催
アボット ジャパン株式会社

篠原久仁子(有限会社フローラ薬局 代表取締役)
『フレイル・サルコペニア・嚥下障害を見逃さない!
~在宅での療養支援~』

高齢者の場合、体力の低下や食事量の減少が続くと、介護が必要な状態に移行する可能性がある。住み慣れた地域で健康な生活を送るためには、フレイル、サルコペニア、及び嚥下障害を見逃さないよう、在宅での服薬と栄養に関する療養支援をする役割が重要となる。転倒・骨折・寝たきりなどの原因にもなるため、十分な栄養の摂取や運動等によりサルコペニアを予防することが大切である。本セミナーでは、在宅訪問時の栄養管理と服薬管理に可能なフレイル、サルコペニアのスクリーニング法、在宅での嚥下の評価:RSST(反復唾液嚥下テスト)に加えて、薬局管理栄養士と薬剤師が在宅訪問している実例から、簡易懸濁法を用いた療養支援のポイントを講演していただきました。
小原道子(ウエルシア薬局株式会社 調剤在宅本部 在宅推進部長)
『フレイル・サルコペニア・嚥下障害を見逃さない!
~在宅での療養支援~』

薬局薬剤師が店頭や在宅訪問を通じて、フレイルやサルコペニア様症状のご利用者様から相談を受けることも多く、薬剤知識はもとよりコミュニケーション能力と、多岐にわたる情報や多職種との連携を図る事が業務として必須である。地域包括ケアシステムを薬局という業態が中心として高齢者の充実した生活が営まれる方法の一つに、多職種の専門分野から幅広い情報を入手することが挙げられる。
「全科の処方箋を見ることが出来、製品知識を持つ」薬剤師は重症疾患だけでなくフレイル・サルコペニア・嚥下障害にも向き合い、情報共有を行うことで、更なる多職種連携の懸け橋となる。多職種と連携することで高齢者の未病・予防から在宅療養のサポートまでを継続支援することが今後の薬剤師業務のスタンダードモデルとなることは勿論、多職種とのハブとなることは間違いない。本セミナーでは地域に根差すチェーン型ドラッグストアの業態として、調剤併設型や無菌調剤も店舗内に取り入れたドラッグストアが、未病・予防から治療、介護までをトータルでサポートする在宅での高齢者支援の実際を講演していただきました。

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セミナー

モーニングセミナー1

7月18日(月・祝)07:50~08:50

会場
特別会議室
演題
「摂食嚥下障害 ~認知症を中心に~」
演者
座長
大会会長狭間研至(一般社団法人 日本在宅薬学会 理事長
講師
野原幹司(大阪大学大学院)
共催
第一三共エスファ株式会社

野原幹司(大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学教室)
『薬剤師に必須!
認知症高齢者の摂食嚥下リハビリテーション』

摂食嚥下と聞くと、薬剤師からは遠い分野に感じられるかもしれないが、薬剤師が果たすべき役割は大きく2つある。
1つは、薬剤を誤嚥せずに飲めているかを確認することである。2つ目は、薬剤の副作用による嚥下障害や食欲低下に気づき対応することである。
薬剤性の嚥下障害・食欲低下はこれまで考えられていたよりも多い。これら2つの役割は、薬剤の専門家として、薬剤師が薬剤師ならではの視点で行えるものである。
そこで要注意なのが認知症である。認知症といえば、「認知症」としてひと括りにされてしまう傾向にあり、また、数が多いことから「認知症≒アルツハイマー型認知症(AD)」と捕らえられがちである。しかしながら、レビー小体型認知症(DLB)も臨床では無視できないほど多く、その嚥下に関する臨床的特徴はADとまったく異なる。
今、求められているのは「薬剤からみた服薬指導」だけでなく、「患者からみた服薬指導」である。 今回のセミナーでは、AD,DLBの特徴を、画像を交えつつ講演していただきました。

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モーニングセミナー2

7月18日(月・祝)07:50~08:50

会場
会議室1009
演題
「女性のトータルライフをサポートする女性ホルモン -大豆由来成分エクオールの可能性-」
演者
座長
平井みどり(神戸大学医学部附属病院 教授・薬剤部)
講師
安田勝彦(関西医科大学総合医療センター 産婦人科 診療部長 病院教授)
共催
大塚製薬株式会社

安田勝彦(関西医科大学総合医療センター 産婦人科 診療部長 病院教授)
『女性のトータルライフをサポートする女性ホルモン
~大豆由来のエクオールの可能性~』

女性ホルモンが女性の生涯にわたって多大な影響を与えていることは、衆知の事実である。学童期/思春期に卵巣から分泌される女性ホルモン、特にエストロゲンによって第二次性徴(乳房発育、陰毛発達、初経)や成長スパートが起こり、女性特有の体形が形成され始める。50歳代半ばまでにほとんどの女性は閉経を迎えるが、現在の平均寿命からすると閉経後30年の長きに渡って低エストロゲン状態が続くことになる。この低エストロゲン状態によって骨粗鬆症が発症し骨折によって日常生活に支障をきたす。女性の健康年齢を低下させる最大の原因の一つと考えられる。本講演では、女性のライフステージにおける女性ホルモンの役割を理解し、女性ホルモン、特にエストロゲンの過剰あるいは不足によって起こる疾患に対する治療戦略について講演していただきました。

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